『仕事ができる人の「図解」売り力の法則』by 村上徹

これは、非常に楽しい本です。人間の心の動きというか癖から、セールスのコツを説いています。商品を売り込むだけでなく、自分を売り込むのにも使えるかもと思いました。それと、日本人が書いた本では珍しく、多くの参考文献が書かれています。更に、ここのコツについて、知りたいときには役に立ちます。というか、多くの本からエッセンスを中失して、著者なりの視点かなまとめた本といえるほど話題は多いですね。ある意味、お買い得な本です。
印象に残っているから、いくつか、紹介します。
数多く、通うことの大切さ
訪問販売で成約に達すのに必要な回数は、平均して4.2回です。セールスマンの多く(80%)は、4回までの訪問であきらめるそうです。もったいないですね。数多く顔を合わせると、不思議に親しみが増す効果があるそうです。ただ、最初の印象が悪いこの効果が発揮されません。私も、あちこちに顔を売りに行こうかな。
人は左回りに歩く
デパートやコンビニの商品に配置に影響することだが、人は左回りに歩くらしい。その有力な理由に心臓のある方を壁側にもって、無意識に守っているらしいとのこと。ちなみに、他の本からのネタですが、エスカレータを使うとき片側をあけておいて、急いでいる人に配慮しますよね。これが、都市毎に決まっているそうです。東京は右側を空けていいますが、大阪は左側だそうです。世界的に見ると、左側を空けているのが大部分とのことです。なんか、おもしろいですよね。
紙おむつと缶ビール
CRMでのデータマイニングの話でよく出されれる事例で、「紙おむつと缶ビール」があります。CRMでのデータマイニングというのは、お客さんが購入する商品の組み合わせを調べて、その有力な組み合わせを商品棚割等に反映させて、販売拡大をはかろうとするのもです。で、「紙おむつと缶ビール」の話ですが、アメリカで金曜日の夜になぜかこの組み合わせで商品が売れるそうです。調べたところ、週末にお父さんがお母さんから紙おむつの買い物を頼まれてお店に来るのですが、その時に、週給をもらって懐が温かくなっているていて、翌日が休みなのでつい缶ビールに手がいくことからその組み合わせになったというのです。おもしろいですね。
もう一つ、AT&Tの調べた組み合わせが、より、納得いくのがあり、「乾電池と下着」を購入した人が2週間以内に海外旅行や出張に行く確率が高いというものです。これは、説得力がありますね。
こんな話が、これでもかこれでもという感じで載っています。営業に関係ない人でも、楽しめます。
仕事ができる人の「図解」売り力の法則-“セールス”のコツは科学すると見えてくる!
著者:村上徹、出版社:PHP研究所
後悔度:★★★ (三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する


追記
そうそう、わかりやすい性格のタイプがあったので、追記しておきます。
簡単にわかる性格タイプ
早口⇔ゆっくり、クール⇔表情豊かで、4つのタイプに分かれます。
早口&クール:支配型 常に相手を支配したいタイプ。田中眞紀子氏が代表的。
アプローチは、相手に主導権を与えて、きびきびと筋道立ててはなす。主張は一貫していることが大切。
クロージングは、結論を断定的に先に言って、選択肢の中から選ばせるようにする。反対されたら、ひとつひとつデータや理論で反論すること。
早口&表情豊か:感覚型 楽しいことがだいすきで、個性的で情熱的だが飽きっぽい。明石さんま氏が代表的。
アプローチは、かならず雑談から入る。目に付いたことを感動した様子でほめ、冷静な分析的なほめ方はNG。話好きなので心ゆくまで話をさせる。
クロージングは、人とは違うことを好むので「限定」に弱く、「これが売れ筋」という話は逆効果。他人や他人の評価に重きを置くので、信頼している人や尊敬している人のアドバイスは効果的、また、「この商品を購入したら周りの評価が高まる」ということにも弱い。
ゆっくり&クール:分析型 どんなときも冷静で、慎重な判断をする。企業の経理部長は例外なくこのタイプ。
アプローチは、データを重視し細部にこだわる。結果よりも、プロセスを重視するため、真摯な対応が評価される。常に礼儀正しさを心がけること。質問されて曖昧な点があったら、後日調べて回答する方がかえって信頼を得る。ほめるときも、「○○の部分がよかった」と限定的に。
クロージングは、長期戦を覚悟すること。メリット・デメリットを丁寧に説明する。具体的な事例もよい。タイムリーに有用な情報を持参すると評価が高まる。
ゆっくり&表情豊か:協調型 親しみやすく、周囲の人に気を使う気配りタイプ。
アプローチは、雑談からはいる。口調はゆっくりと。接するときは常に「包容力」を心がけること。プライベートな話題がでたら親しくなるチャンス。定期的な訪問しないと期限が悪くなる。
クロージングは、「これが売れ筋」に弱い。決して対立してはいけない。否定するときは、「YES-BUT」方式を使う。データよりもエピソードに心を動かされる。

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