商人は、「悦び」を拡大再生産する「仕組み」を持つ芸人だ。
筆者は、会社のファン(=固定客)を増やすことにより、ビジネスを拡大させる仕組みを提唱しています。この仕組みは、顧客を5つのゾーンに分けて、それぞれのゾーンにから、一歩一歩、最終的に「会社のファン」ゾーンに移行してもらうことを指しています。ぞれぞれのゾーンから次のゾーンに動いてもらう方法を実例を示しながら説明します。この仕組みの基本にはお客様の悦びがあると説いています。
この5つのゾーンを次に示します。
1.見込み客ゾーン
2.新規顧客獲得ゾーン
3.既存客ファン化ゾーン
4.休眠・流失客ゾーン
5.非獲得客再アプローチゾーン
それぞれのゾーン間をボードゲームの升目を動くように、お客様を動かします。
既存客化ゾーンに、お客様を集めて、ビジネスの安定化を図ります。このゾーンのお客様は「新規客」に比較して、かかるコストは少なく、また、その会社に対するロイヤリティが高いので利益が高いのです。
お客様の「悦び」を、難しく考えるかもしませんが、ちょっとしたことでいいのです。例えば、見た目が同じで値段が違うサンマの差が、実は背の厚さの違いであることを知らせるだけでいいのです。また、電子ジャーをを長年使用しているお客様に対して、最新の電子ジャーがおいしく炊けることや手間がかからないことをおしえてあげるだけでいいのです。実は、お客様はその値段の違う理由や新規に買うべき理由を知りたいのです。
この様にして得た「儲け」は、さらに、お客様の悦びを大きくすることに投資しなければなりません。なぜなら、お客様はそれをあなたに期待しているから、儲けさせてあげているのです。そういう世界では、商人は芸人でなければなりません。芸人は他人と競うのではなく、自分独自の世界を作ることに力を入れるべきなのです。そこには、己との戦いのみしかない世界なのです。
「儲け」を生みだす「悦び」の方程式
見える人にしか見えない商売繁盛の「仕組み」とは
< strong >著者:小阪裕司、出版社:PHP研究所
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