「宝地図」の日記パージョンかな。
本書は、言葉と想像力という人間が持つ特有の力を用いて、目標を達成する方法を説明しています。
著者の佐藤富雄氏の本を読むのは、三冊目でして、一冊目は「若々しい人 老ける人―人生を楽しむオプティマル・ヘルスのすすめ」、二冊目は「あなたが変わる「口ぐせ」の魔術―言葉の心理学・生理学」です。二冊とも、私の興味のある分野です。
さて、本書は、その二冊と比較してかなり薄くて、全部合わせても126ページですが、密度の濃い内容に仕上がっています。内容が濃いため、12/31に、購入したのにもかかわらず、今ひとつ消化できずに、ようやく、紹介できるようになりました。
未来日記とは、自分が達成しようとする目標の内容が、既に、実現したとして、子細に、それを日記として書き留めることです。その日記は、特定の一日でもいいし、一週間でも、一年でもいいのです。ポイントは、「理想の未来を先取りして現在形の言葉で書く」という事です。それにより、的確に欲しい未来に対する準備が出来るようになります。
なぜ、そうなるかというと、まず、言葉にすることにより、人が持っている「自動目的達成装置」がオンになります。今まで不可能だと思っていたことが、無意識に制限をかけているのがはずれて、段々とそれを達成するような道筋を探し始めます。そして、何回も書いたり、音読することによって、新しい脳の回路が出来始めます。すると、もしかしてらできるかもしれないと思い始め、エネルギーが湧き出るようになります。筆者の未来日記の一部が公開されています。素晴らしい生活なのですが、それが、ほとんど達成されているといいます。この「自動目的達成装置」は、極身近な例だと、予定や計画を立てることも含まれるそうです。
もう一つのそれを支えるしくみが「RAS効果」というものです。これは、身の周りにある膨大な情報を選別する機能です。何か心から求めたり必要としていると、本人が意識するしないにかかわらず、脳が自動的に情報を収集してくれます。例えば、A温泉に行く計画を友人と立てると、その計画を立てたとたんに、電車の中吊りを見ると、A温泉の特集記事がめにとまり、TVに取り上げられているのに気づき、果ては、先日、A温泉に行ったという知り合いまで現れます。これは、偶然ではなく、今まで、目の前にあったことに気がつかなかっただけなのです。
この「自動目的達成装置」と「RAS効果」により、目標に対して、的確な準備をすることができて、最後には、達成すると本書は主張しています。
あなたの夢をかなえる「未来日記」-“思い通りの人生”を手に入れる14日間トレーニング
著者:佐藤富雄、出版社:PHPエディターズ・グループ/PHP研究所
後悔度:★★★ (三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する