『バカ売れオンラインショップの作り方』 by 山田雅彦

【具体的提案の詰まったオンラインショップの道しるべ】
著者が、「おわり」に、書いてある言葉が印象的です。
『「たったこれだけでバカ売れオンラインショップになるよ!」という秘策は存在しません。』
この言葉からも分かるように、地に足のついた実戦的な内容になっています。多くのオンラインショップが陥りやすいポイントを丹念に取り上げて、解説しています。多くの情報が入っています。印象に残るのが、オンラインショップ経営のシナリオの立て方、常に常識を疑う姿勢、随所に盛り込まれた新しい提案です。
シナリオの立て方
オンラインショップを繁盛させるために、次のステップを考慮して、施策を打ち出していきます。
1.お店(オンラインショップ)が存在することにきづいていただく
2.お店を訪問(アクセス)していただく
3.どういうお店かわかっていただく
4.お店のファンになっていただく
5.リアル店舗がある場合は、できればリアル店舗にも来店いただく
6.買い物をしていただく
7.繰り返し買い物をしていただく
8.新しいお客様を紹介していただく
そして、次の三種類のお客様が存在することを考えて、各ステップの細部をつめます。
a.買う気マンマン
b.情報収集中
c.その他、プレゼント応募など
これを組み合わせます。例えば、4-aなら、「親しみや信頼感を醸成するページ構成」が必要などです。
常識を疑う姿勢
本書全体を通して感じるのが、オンラインショップ運営上の常識を疑う姿勢です。例えば、インターネットにおける無料神話を突き崩します。SEO対策、メルマガ等の無料サービスで、十分に、オンラインショップの広報ができるというものです。これは、お金の代わりに、時間を支払っているようなものだと指摘します。
これ以外にも、プロモーションの組み合わせの考え方、メール対応の考え方、お客様の声などがあります。
新しい提案
オンラインショップへの新しい手法、商品の提案等が、数多く掲載されています。例えば、写真の代わりに似顔絵キャラの利用をすることです。オンラインショップの「顔」として、親しみ感を増すために、店長やスタッフの写真を掲載する手法があります。しかし、不特定多数のアクセスがあるオンラインショップに掲載する事に対して、恥ずかしがり、さら、特に、女性は、不安を抱きます。表情も、固くなりがちです。それ解決するために、似顔絵キャラで代用するのです。
その他にも、店長の日記を「楽天日記」でつけること、オフ会の開催、EC統合システムの導入提案などがあります。
本書は、オンラインショップの経営者にとって、よい道しるべになると思います。
バカ売れオンラインショップの作り方~デフレ時代にひとり勝ち
著者:山田雅彦、出版社:翔泳社
後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する


気になる
本書で個人的に気になったのが、「身内が使っている言葉とお客様が使っている言葉は、違うことがある」という記述です。というのは、言葉が違うと、明確に思いが伝われないからです。どういう風に、その言葉を収集するかに興味があります。特に、オンラインショップ等のリアルに人と会えない場合、自然に耳に言葉が入ることが期待できないので。うまい問いかけの方法がありましたら、どなたか、教えてください。

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