『[マネ]するマーケティング』 by 岡本吏郎

【ただのマネでは、儲かりませんね。マネするのも大変です。】
『マネするマーケティングをしなさいと言いながら、マネをするなと言っているじゃないか』と「はじめに」に書いています。表面的なことをマネして失敗するポイントを示して、失敗を減らすような書き方に見ることが出来る本です。
表面的ではない、構造的な部分の骨格を見ていきましょう。
まず、本書の行間から、うかがえることは、世の中の記号化に、うんざりしている筆者の様子です。記号化とは、「何も言ってない言葉が意味ありげに表現されていること」です。これは、効果がありません。
反対の言葉として、物語をとりあげています。物語は、人を引きつける力があります。物語の本質はリズム=形式にあります。ある一定の形式を人は好む傾向にあります。視覚的な表現や最初に質問を投げかけることに引きつけられます。
特に、多くの物語に繰り返されて出てくる物語の構造に、「人から頼まれたことを主人公がやりとげる」パターンがあります。巨人の星、タッチ、ドラクエ、ドラえもんは、代表的な例です。この物語の構造を使うのです。
次に、物語を形作る上で、音楽で言うところの小節を刻む技があります。それをマーケティングの基本ルールとして示します。
1.マーケティングだけではモノは売れない。
→商品の魅力を伝えることしかできない。
2.USPを見つける。
→自社の資産で他と違う所(欠点でも可)を探す。
3.キャッチ・コピーの法則
→利益系(自分が得られる利益を提示)+エモーショナル系が最強。他に、ニュース系(人から置いていかれる感を強調)もある。
4.誰に対して語るのか?
5.どんな媒体を使うのか?
6.しかけるのはいつ?
7.1ステップ・マーケティングが基本。
→何でも、2ステップ・マーケティングで売ろうとする人がいる。
8.コンセプトの作り方。
→コンセプトは「これで○○できる」こと。
9.入り口と出口を用意する。
→目を引くキャッチ・コピーの部分とやってもらいたいことを明確に。
他にも、具体的に、キャッチ・コピーを作る際に参考にするジョン・ケイブルの30のフォーミラー(とても、具体的)や雑誌からキャッチ・コピーのヒントを得る利用法などが載っています。
本書はチラシを例に、具体的なマーケティングのルールを掲載しています。勿論、その用途だけではなく、メルマガやホームページで何かを売り込むときなどいろいろと応用ができそうです。
儲けた人はみんなやっていた!それは[マネ]するマーケティング
著者:岡本吏郎、出版社:あさ出版
後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

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