『デキる人の法則』 by ティム・サンダース

【愛は自分のネットワークを活性化する魔法】
原題は、『LOVE IS THE KILLER APP』です。すごいタイトルですね。少し、怪しいかなと思ったのですが、読んでみると、この本で説明されていることは、本好きの人にこそ、活用して欲しいノウハウでした。
本書の全体の主張は、自分のネットワークを拡げて、育てて、それに属している人の成功に寄与することにより、自分も成功していこうというものです。
本書の本文中では、『愛が最強のアプリケーション』と訳されています。おそらく、原題から、オリジナルでは『愛がキラーアプリケーション』と言っているのでしょう。IT系の人には説明不要と思いますが、キラーアプリケーションとは、ある特定の基盤が爆発的に普及する切っ掛けとなるソフトのことです。例えば、iモードでの着メロ、ビデオデッキではアダルビデオ、Windows95はインターネット、WindowsはExcel、MS-DOSはLouts1-2-3などがあげられます。
ビジネスでは、『愛』だと説いています。ここでいう愛とは、会社においては、「あなたがいないよりも、あなたがいたほうが大きな価値を生む」と評価されることで、広く捉えると、「理想的かつ良識のある態度で己の無形資産をビジネスパートナーに分け与えること」です。
無形資産とは、「知識」、「ネットワーク」、「思いやり」の3つを指します。
まず、知識を共有する方法を説明しています。4つのステップがあり、1.収集(雑誌、テレビではなく、本が最適)、2.記号化(内容を消化)、3.加工(自分なりのまとめ、簡潔な書評をかく、読書会などがよい)、4.適用があります。
4番目の適用が興味深いのです。自分の知り合いと、本で得た知識を共有し、相手の成功に役立たせるようにします。まず、本の重要ポイントを身につけます。日常の会話をイメージして、どのように伝えるのかをシュミレーションします。そして、日常の会話でそのシミュレーションの結果を入れる所を探し、相手に伝えていきます。メールでもいいのです。また、相手の立場に立って、考えてみて、困っていそうなことに対する解決のヒントを考えてあげるのは、知識を役立たせてもらう意味で、効果的です。本を送ってあげると更によいです。
次に、ネットワークですが、それを活性化させるのに、1.収集、2.結びつけ、3.消滅の三つの段階があります。
収集時にはできるだけの情報をPDAに取り込み、結びつけるヒントを蓄積します。結びつけるのには、直接合わせる、電話、メールがあります。順に、効率がよくなります。結びつけたら、その関係から抜け出しましょう。次の結びつけに力を入れましょう。
最後の思いやりは、人間関係をスムーズにするもので、ネットワークを拡げる時、摩擦を減らします。多くのことが提案されています。印象に特に残ったのは、「暖かい言葉で自分を表現する」です。
「こんなに遅れるなんて、だめよ」ではなく、「仕事が遅れそうになるときは、知らせてくれ」という風に表現します。
知識、ネットワーク、思いやりで、成功だけでなく、人生の楽しみも得られそうです。
デキる人の法則
著者:ティム・サンダース、出版社:角川書店
後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

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