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『戦略「脳」を鍛える』 by 御立尚資

【経営戦略を一通り、知っているけど、実際に戦略を構築できない人にオススメ】
中小企業診断士という経営コンサル系の資格のお勉強をしていた反動で、ここしばらくは、経営戦略系の本を読む気分ではなかった。しかし、この本は、そんな気分を払拭します。
単なる戦略の詳細を開設する本ではなく、考えか方、インサイシトと呼ぶものを伝えてくれます。インサイトとは、「勝てる戦略の構築に必要な”頭の使い方”、ならびにその結果として得られる”ユニークな視座”」と定義されています。これが戦略構築ののキーとなります。
本書の構成自体、教科書的であり、そのエッセンスは次の式で表せます。
ユニークな戦略=定石+インサイト
  =定石+(スピード+レンズ)
  =戦略のエッセンス+(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング
   +(拡散レンズ+フォーカスレンズ+ヒネリレンズ)
あまりに、美しい式に、多くの要素が入っていて、どこから、説明していいのか迷います。
「200ページ弱なので、基本的な戦略を知っている人は、買ってみましょう。以上」と説明を終えたくなります。
ほんのさわりだけ、紹介します。
まず、「戦略のエッセンス」とは、基本的な経営戦略の型です。5種類に分類されており、各3種類あるため、計15種類になります。
そして、スピードを構成するのが、「パターン認識」と「グラフ発想」、それらに、シャドウボクシングを掛け合わします。
シャドウボクシングとは、仮説・検証のことです。その能力を高めることにより、実行に移す前に、多くの示唆を得ることが出来ます。
そして、スピードを決定づけるのに、理解しやすいのが、パターン認識です。多くの経営戦略の型のどれを使用すればいいのかを、一目で見抜きます。右脳的考え方の一つで、イメージを使用して、思考することにより、能力を高めることができます。
グラフ発想というのは、データをいくつかの切り口で、切り取り、特異点を見つけるのに使用します。図解に近いのですが、機械的にあてはめることにより、複数の事柄を比較できるので、スピードが上がります。
これらの3つが、スピードを高めます。一部ですが、紹介しました。
本書は、理論だけでなく、具体的な例や演習問題で、実際に、考えることを実感できます。多くの経営戦略の本を読んできたけど、実際に、うまく、作成できないと嘆いている方には、オススメです。
戦略「脳」を鍛える~BCG流戦略発想の技術
著者:御立尚資、出版社:東洋経済新報社、ISBN:4492554955
後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

戦略「脳」を鍛える

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