『愛のバタバタ貧乏脱出大作戦!!』 by 九鬼政人

【如何に自分の価値を高められるかを考える視点を与えてくれる本】
「バタバタとしているので」という言葉を使う社長を、フリーター、ホームレス以下と断言してしまう衝撃の内容の本です。筆者はガンの宣告をうけ、バタ貧から、脱出しました。そういう意味では、読者に、生活習慣病に、既に、おかされているということを告げたいために、強い言葉を使用しているのかもしれません。
実際、このバタ貧社長は、交通事故にあうか、病気になるかして、短命な人生を終えることが、調査で明らかになっているようです。
このようなバタ貧状態は、時間に対する認識を改めることにより、解決の糸口を見つけることができます。時間とお金についての考え方が秀逸です。貴重な社長の時間をわずかばかりのお金に惑われさて、浪費してしまわないように最新の注意を払うよう助言しています。
機会損失コストと比較優位説に通じる説明をしています。そして、強調したいのは、社長は、唯一、会社で時間を買っている存在ということです。自分の考えを社員の時間という拡大装置で増幅させているような存在です。
そう、社長の本当の仕事での課題は、いかによりよく思考するかなのです。ここでの思考するということは、1.情報を得る、2.予測する、3.考える、4.決断するから成ります。テレビの情報番組を鵜呑みにするような思考停止状態の日本で、情報を得て、予測し、考え、決断します。それが社長の仕事です。
この決断するということについて、興味深い、チェスのプロを育成する方法の話がでてきます。一手を五秒で指す訓練をします。それの興味深い点は、長考して指した手とその五秒で指した手の一致する割合は、なんと86%にもなるのです。これが持つ意味は深いですね。
さて、バタ貧を脱出するためには、現状を変える視点を、四つ、示しています。
1.見たくない現実を見る。これが成功者とそうでない人を分けます。
2.本当の自分を知る。他人の評価=自分の真の姿と割り切って見ます。
3.後ろ向きの目=いわゆる前始末です。
4.様々な角度から見る。消費者のプロしての目、他人事して捉える、成功者の視点から俯瞰して眺めるの三つがあります。
特に、興味深いのが、「後ろ向きの目」の視点です。これは、新しいアイディアを実行する前に、そのアイディアを評価する視点です。うまくいった時のメリット・デメリットを現状のメリット・デメリットと比較します。そして、更に、最悪な場合を想定し、現在より、悪くなる場合に、それを許容できるか否かの判断を行います。
時間の価値を高める方法が示されており、社長だけでなく、普通の人がどのようにすれば、自分の価値を高められるかを考える視点を与えてくれる本です。
愛のバタバタ貧乏脱出大作戦!!~「バタ・貧」社長が、忙しいのに儲からない本当の理由
著者:九鬼政人、出版社:総合法令出版、ISBN:4893468480
後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

愛のバタバタ貧乏脱出大作戦!!

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