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『パワー・ブランディング』 by マイク・モーザー


パワー・ブランディング 統一性と結束をもたらすブランド・ロードマップ
【実務者による説得力ある手順がロードマップに集約されている】
前回紹介した『ブランド人になれ!』を読んで、企業がブランドを築く方法を個人に、応用できないだろうかという思いで、本書を読んでみました。
著者は、一貫してブランド構築の現場にいて、著しい成果を上げています。アカデミックな本とは、一味、違います。具体的には、次の広告合戦で、弱者側にたち、一定の成果を上げています。


・アップルコンビュータ対IBM
・カリフォルニア・クーラー対シーグラム、ガロワイナリー
・リーボック対ナイキ
・デルコンピュータ対IBM、コンパック
私が、知っているのが、アップルコンピュータ対IBMの戦いです。私の記憶によれば、一年で、一番、視聴率が高くなる全米プロフットボールの試合(スーパーボウル)でのCMです。その年、1984年にちなんで、ジョージ・オーウェルの『1984』(独裁者に支配された未来社会を描いた小説)に、なぞらえて、映像を組み立てます。その映像では、独裁者=IBM、それに立ち向かう女性(ジャンヌ・ダルク?)=アップルコンビュータという構図です。
「1984 won’t be like ‘1984’」
 1984年は、(オーウエルが描いたような)『1984』のようにはならない
この言葉がテロップで、流れます。
↓↓ここが詳しそうです。
http://www.cutt.co.jp/book/Macintosh/text/001.html
パーソナル・コンピュータに、カウンター・カルチャーのにおいを感じる人に、特に、共感を呼んだCMでした。そして、それは、マッキントッシュのデビュー・コマーシャルです。
そのような実績を積んだ実務者による本です。実務者らしく、淡々と書かれています。読み物としての面白味には、欠けます。しかし、説得力が違います。
全体を通して、実務経験から編み出された5つのステップからなる「ロード・マップ」を説明していきます。
step1.コア・ブランド・バリュー
step2.コア・ブランド・メッセージ
step3.ブランド・パーソナリティ
step4.ブランド・アイコン
step5.ブランド・ロードマップ
それぞれに、ワークシートが章末にあります。それを記入することにより、徐々にブランドの全体像が現れるような構成に成っています。
特に、最初の「コア・ブランド・バリュー」が、興味深いのです。会社のコアなブランドの価値を考えるに、その会社が無くなったとして、その墓碑に何を刻むかがそれにあると主張します。次のような例が掲載されていました。
ソニー:すばらしいデザインと製品の品質が恋しいです。
アマゾン・ドットコム:選択の幅と値段がよかったのに。
BMW:心地よさとエンジニアリングを懐かしく思い出します。
さて、冒頭に戻って、あなたのブランドを考えると、あなたの墓碑に何が刻まれることになるのでしょう?
パワー・ブランディング~統一性と結束をもたらすブランド・ロードマップ
著者:マイク・モーザー、出版社:ダイヤモンド社、ISBN:447850220X
後悔度:★★★(三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

パワー・ブランディング 統一性と結束をもたらすブランド・ロードマップ

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