『金持ち父さんの投資ガイド(上級編)』 by ロバート・キヨサキ

最近、基本を確認する意味で、「金持ち父さん」シリーズの本を読んでいます。多くの人が、『金持ち父さん貧乏父さん』に、衝撃を受けたと思います。私もその一人で、従業員という世界と別の世界では、その世界観が違うのだと強く認識を促してくれました。そのシリーズの第4弾にあたります。
これを取り上げたのは、投資家になるには、まず、ビジネスオーナーになるベキと主張し、ビジネスオーナーになるにはどのような知識・スキルが必要かを説明しているからです。
その知識が「B-Iトライアングル」という体系にまとめられて説明されています。これは、ビジネスオーナーが必要とする知識・スキルの体系です。本書の言葉を引用して説明すると次のようになります。
「世の中には偉大なるアイディアを持っている人はいくらでもいるが、偉大なる富を得る人はほんのひと握りだ。B-Iトライアングルは平凡なアイディアを大金に変える力をもっている。」
この体系は、それを支える3つの柱と、5つの知識から構成されます。
3つの柱とは、以下のようになります。
1.使命
2.チーム
3.リーダーシップ
5つの知識は、以下のようになります。
1.キャッシュフロー
2.コミュニケーション
3.システム
4.法律
5.製品
印象的なのは、E(従業員)やS(専門家)の世界の人は、個々人でビジネスを行うのに対して、B(ビジネスオーナー)はチームで、ビジネスを行います。しかも、B(ビジネスオーナー)、I(投資家)、S(専門家)、E(従業員)という4つの違うタイプの人から構成されています。また、同じ種類のS(専門家)、E(従業員)も、その詳細は異なります。「ビジネスはチームで行うスポーツだ」とも表現しています。
5つの知識では、「1.キャッシュフロー」は財務・会計の知識があればある程度の予測がつくし、「4.法律」もある程度の予測がつくと思います。「2.コミュニケーション」と「3.システム」については、新鮮に感じました。箇条書きで簡単に示します。
コミュニケーション
1.セールス
2.マーケティング
3.広告、キャッチフレーズ、コピーライティング
4.交渉
5.人前での話し方
6.DMによる宣伝
7セミナーの開き方
8.資金調達
システム
1.オフィスでの日常業務
2.製品開発システム
3.製造および棚卸しシステム
4.注文処理システム
5.代金請求と売掛金システム
6.顧客サービスシステム
7.マーケティングシステム
8.人事システム
9.一般会計システム
10.全般的システム
11.物理的スペースシステム
こうして、必要な知識が一覧になっていると何が不足しているのがよく分かります。本には、更に、もう一段、詳細にブレークダウンして説明しています。参照してください。
印象深い場面がありました。それは、筆者が「洗練された投資家」になる時に、取った行動です。毎年、元旦に親友と登山する習慣を持っており、そこで、去年の目標と結果、そして、新年の目標を互いに確認し合うのです。
「洗練された投資家」になると決めた最初の年は、目標は決めたものの自分自身に自身がなく、自分を過小評価したため、当然の報いで、何の進展もない結果に終わりました。次の年は、その年が半年すぎた頃に、その「洗練された投資家」との面談が切っ掛けで、その第一歩を踏み出すのでした。目標達成の過程が見ることができて、興味深いです。
本書は、最終的に、「洗練された投資家」の世界に踏み出すのに必要な知識を教えてくれます。特に、「B-Iトライアングル」というビジネスオーナーに必須である「平凡なアイディアを大金に変える力」の全体像を整理した形で示してくれます。
■■ 今日のエッセンス
■■
■■ 世の中には偉大なるアイディアを持っている人はいくらでもいるが、
■■ 偉大なる富を得る人はほんのひと握りだ。

金持ち父さんの投資ガイド(上級編)
著者:ロバート・T.キヨサキ/シャロン・L.レクター
出版社:筑摩書房、ISBN:4480863389

後悔度:★★★ (三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

金持ち父さんの投資ガイド 上級編 ― 起業家精神から富が生まれる
ロバート キヨサキ シャロン レクター 白根 美保子 林 康史 今尾 金久

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