『ブルー・オーシャン戦略』 by W.チャン・キム他

経営とは新しい市場を創造することというようなことを聞いたことがあります。では、実際に新しい市場を創造するということはどういうことかに対して、明確な答えが無かったような気がします。『ブルー・オーシャン戦略』は、それに答えようとしている本だと私は思います。
『ブルー・オーシャン戦略』では、従来の市場で競争している状況をレッド・オーシャンと呼び、市場を創造してその市場が無限に広がっている状況をブルー・オーシャンと呼んでいます。ブルー・オーシャンを生み出すと、利益が大幅に増加とする主張しています。著者が108社を調査したところ、利益の61%がブルー・オーシャンから生み出されたものという結果が出ています。
このブルー・オーシャン戦略を作成するのに、3つのツールを考案しています。それは、1.戦略キャンバス、2.4つのアクション、3.アクション・マトリックスです。
戦略キャンバスとは、競争要因を横軸にして、縦軸はそのレベルを表します。そこに、業界内にあるいくつかの戦略グループの特徴を描き出します。すると、競合他社が何に投資しているか、製品、サービス、配送などの何を売りにしているかなど、どのような現状にあるかを知ることが出来ます。それを元にブルー・オーシャンを創造する手助けになります。
4つのアクションとは、ブルー・オーシャンを生み出すために、競争要因に対して、操作する視点です。それは、業界の標準に足して、1.取り除くべきものは?、2.思い切り減らずべきものは?、3.大胆に増やすべきものは?、4.付け加えるべきものは?を考えていきます。
アクション・マトリックスは、4つのアクションを補足する分析手法です。これは、4つの四角を田の字型に置き、それぞれに4つのアクションを並べます。
実際に、ブルー・オーシャンを生み出す際に考えていくヒントが次の6つです。
1.代替産業に学ぶ
2.他の戦略グループ
3.買い手グループ
4.補完材や補完サービス
5.機能特性と感性特性を逆にする
6.将来を見通す
「代替産業に学ぶ」を簡単に説明します。「代替産業に学ぶ」は、代替産業の特徴を導入することです。代替産業とは、代替材や代替サービスを提供する産業です。
代替材、代替サービスとは、同じ役割をはたす、あるいは同じ効用をはたすものです。例えば、資産管理ソフトと税理士や会計士は同じ役割をはたします。なので、一方を代替サービスの関係になります。また、レストランと映画館を比較すると、「外出して楽しい夕べを過ごす」という目的では同じになります。これも、同様な関係が成り立ちます。
この例としては、iモードが上げられます。比較されたのは、インターネットです。インターネットのキラー・アプリケーションを考えると、電子メール、身近な情報、娯楽です。これらをiモードは置き換えました。
『ブルー・オーシャン戦略』は、新しい市場を創造するうえでのツールを考案し、それを生み出していく際の考え方、そして、紹介できませんでしたが、具体的な実現の手順を教えてくれます。
■■ 今日のエッセンス
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■■ 競合他社の競争要因を分析して、差別化を行う。
■■ 代替産業を分析して、その特徴を導入する。
ブルー・オーシャン戦略~競争のない世界を創造する
著者:W.チャン・キム/レネ・モボルニュ、出版社:ランダムハウス講談社
ISBN:4270000708

後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する
4270000708 W・チャン・キム レネ・モボルニュ 有賀 裕子

おすすめ平均
starsうちの社長に読ませたい1冊。でも、この本に書かれている内容、
starsブルー・オーシャンを泳いでみたい!
stars現実には企業の現場では難しい
starsポーター競争戦略への強烈なアンチテーゼ
stars人生を戦いと思って疑わない人たちに。

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