『ブランドは遊び心』 by 高橋朗

『黄金のおにぎり』が楽しかったので、高橋朗氏のビジネス小説本を3冊とも、読んでしまいました。その中で、『ブランドは遊び心』が面白かったので、取り上げます。

4901491261 黄金のおにぎり
高橋 朗

by G-Tools

*『黄金のおにぎり』の書評はこちら。
◆マーケティングはブランディング?
ブランドを作っていく過程は『黄金のおにぎり』にわかりやすく描かれています。この『ブランドは遊び心』では、ブランドを引っ張っていく層として、知的ラディカル層というのを設定して、どのように、ブランドを構築していくかを説明しています。ブランディングの方法より、今後、マーケティングの目的がブランディングに移行していくと言うことを訴えているように感じました。
◆知的ラディカル層
『ブランドは遊び心』では、知的ラディカル層をブランディングする対象としてとらえています。知的ラディカル層とは、マズローの欲求段階の5段階の中で、最も上位の欲求を持つ層を指します。マズローの欲求段階では、崇高な順に、ならべるとい以下の様になります。
・自己実現欲求段階 自己成長を求める創造的欲求
・自我欲求段階   尊敬されることを求める認知的欲求
・親和欲求段階   他者と関わりたいという集団帰属の欲求
・安全欲求段階   危険から逃れたいという安全の欲求
・生存欲求段階   衣食住の根源的な欲求
ちなみに、私が聞くところによると、マズローの欲求段階は心理学的には実証されてないようです。ただ、人の欲求の分類に便利なので、マーケティングの本にはよく登場します。閑話休題。
バブル時には、自我欲求段階の層が拡大しましたが、崩壊後、急速に減り、親和欲求にレベルが下がったと分析します。逆に、勝ち組の専門職を中心に、自己実現に価値を置く層が出てきました。それが、知的ラディカル層になります。自我欲求段階は、主に、経済的なことに価値を見いだす、享楽的エリート層と『ブランドは遊び心』では、分類しています。
◆ブランドがもてはやされるわけ
経済的な二極化現象で、ブランド品を求める層が出てきたのにも、かかわらず、ブランドの供給不足のため、需要と供給のアンバランスのため、経済が活性化しないと指摘します。逆に、低コストの商品を容易に作れる状況ため、必要以上に安価な商品が出回り、安いのにものが売れなくなってきていると指摘します。
さらに、ブランドとは、時間に価値を見いだす、知的ラディカル層にとっては、高い技術力や高品質な原材料や洗練されたデザインなどのこだわりを「手間隙がかかっている時間の凝縮されたもの」としてとらえており、心を捕らえられています。つまり、手間と真心をそこに見いだし、大量生産品と異なる魅力を感じています。
◆ブランドの4P
この時間と手間が凝縮されたブランド品は、マーケティング4Pになぞらえて、ブランディングの4P、Policy(信念)、Passion(情熱)、Peaceful(ゆとり)、Permissive(真心)を提唱します。
◆まとめ
『ブランドは遊び心』では、ブランドを求めている層を推定し、ブランディング方法に、新しい4Pを提唱して、大量生産大量消費を前提とするマーケティングから、ブランディングを目的とするマーケティングに移行する現場を描き出そうとしています。
■■ 今日のエッセンス
■■
■■ 知的ラディカル層はゆたかな時間を過ごすことに価値を見いだす。
■■ マーケティングは、ブランドをつくることが主目的になる。

◆ブランドは遊び心~小説 銀座ママ麗子の成功の教えシリーズ
著者:高橋朗、出版社:ナナコーポレートコミュニケーション
ISBN:490149130X

後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

ブランドは遊び心 銀座ママ麗子の成功の教えシリーズ
490149130X 高橋 朗

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会社を辞めて半年以上たちました
いやー、時間がたつのは早いですね。まあ、なんとか、生活しています。
生活自体は、とても快適です。
今まで、ブログで法人のホームページを制作するということをやっていましたが、どうも、楽しくないんですよね。メルマガを書いている方が楽しいので、本気で、これで生計を立てようと思っています。
いい本や情報を提供しますので、よろしく、お願いします。(_o_)
書評の本でも、出版したいななどとも思っております。誰か声をかけてくれないかな・・・
あっ、ただ、メルマガだけではなく、別のことも考えています。そのうちに、お知らせできるといいですが。

コメント

  1. Tulipaさん、こんばんは。
    いつもメルマガも読ませていただいてます。

    >書評の本でも、出版したいななどとも思っております。誰か声をかけてくれないかな・・・

    「夢リスト」のように「出版する」と自分で決めてしまえばいいのではないでしょうか(笑)?

  2. Tulipa より:

    何とかできるかなととは思っています。一応、具体的な行動つきです。はい。

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