先日、『「やめたいのにヤメられない!」がスパッとやめられる10秒日記』の水野浩志氏のセミナーに参加しました。そこで、推薦された本をご紹介します。
「やめたいのにヤメられない!」がスパッとやめられる10秒日記 水野 浩志 by G-Tools |
それは、大橋禅太郎氏の『すごい会議』です。大橋善太郎氏は、私にとって、「バイラルマーケティング」関係の人という括りで覚えているため、以前、『すごいやり方』という本を出されたとき、意外に思いました。この『すごい会議』を読むと、どのような経緯で、バイラルマーケティングからコーチングの方面に活動が移ってきたのかわかります。
簡単に略歴を紹介します。東京理科大学の情報科学科を卒業、投資銀行、フランス石油会社を経て、起業。その後、アメリカでバイラルマーケティング会社のGAZOOBAを設立、一定の成果を収め売却、その経験を活かして、セミナー、翻訳活動。GAZOOBA時代に経験した組織的なコーチング体験を活かして、活動中。
◆マネジメント・コーチングとは
この『すごい会議』は、会議を通じて、会社組織に対するコーチングをおこなうことにより、すごい成果をだすという趣旨の本です。具体的には、通常の会議の中味は、ほとんど(95%)が、コメントの交換に終始しています。これを、明確化のための質問、代替案の提示、リクエストに絞ると、効率的・効果的に会議が運びます。そのノウハウを提示しています。
150ページ程度の分量で、二部構成に成っています。第一部が、実際の体験を元にしたマネジメント・コーチングの手法を説明しています。第二部、四十ページが、コンパクトに実行点順をまとめています。
◆実行手順
全体を紹介することができないので、印象に残った導入部分を紹介します。この導入部分というのは、マネジメント・コーチのハワードが最初に、大橋氏の会社に施したコーチングでした。9時間に渡る会議です。参加者は、役員レベルです。
1.この会議が終わった時に予想される成果を書き出すように指示します。
ここでのポイントは最終的な成果から、会議を始めることです。これは、問題点ではなく、成果に思考を集中できます。次に、紙に書き出して、発表することにより、他人から影響を受けることが少なくなります。どうしても、声の大きい人や職務上上位の人の意見に左右されやすいのですが、それがなくなり、各人が平等に発言できます。
更に、このマネジメント・コーチングでは、一般的なスキルの伝達とは違う手順を踏みます。「洞察の提示→実体験」というパターンではなく、「実体験→質問→洞察の程度」というパターンを踏むことにより、納得度が向上します。
この最初の段階で、
・経営の中心となるメンバーが緊張を持って揃った。
・人の意見を気にせずに、発表で来たる
・やらされている感がなくなり、自主的に各自が考えるようになった。
これらは、経営者が望んでいることで、なかなかな手に入れられないことです。それが、最初の段階で手に入ります。
2.今まで、達成した成果は?
この質問で、雰囲気が明るくなります。
3.問題や懸念で、最も重要なことをあげ、これを「どのようにすれば~」に置き換える。
例えば、「資金が足りない」は、「どのようにすれば、資金を得られるだろうか」に置き換えます。さらに、余裕があれば「これが起こったらいいな」という文章に置き換えます。考えるのが難しいときには、「日本一」とか「世界一」という言葉を入れます。
4.言えない問題を洗い出す
以下の質問を議長役の人は行い、言えない問題を表面化させます。
「言わなかった問題、言えない問題はないか?」
「この会社のひどい真実は何か?」
「あなた自身のひどい真実はなんだ?」
より、根深い問題を掘り出せます。
◆まとめ
組織に対して、効果的な会議を通じて、コーチングする手法が述べられています。それが筆者の体験を通じて、語られいるので臨場感があります。更に、その手順をまとめた付録が付いてきます。共犯者を見つけて、会社で試してみては如何でしょうか?
■■ 今日のエッセンス
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■■ この会議が終わった時に予想される成果を考えると前向きになれる。
■■ 問題や懸念を「どのようにすれば~」に置き換えると建設的になれる。
◆すごい会議~短期間で会社が劇的に変わる!
著者:大橋禅太郎、出版社:大和書房、ISBN:4479791183
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?
すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる! | |
大橋 禅太郎
おすすめ平均 |
◆週三回発行へ
7月から平日毎日の発行にしていましたが、毎日、ある程度のクオリティの書評を書くのが難しくなってきました。先週、先々週と、毎日、書くのがつらくなってきて、予告なしに発行回数を減らして、すいませんでした。
一つの書評を書くのに2,3冊は読んでも、没にしています。また、ほとんど、評価が★★★★★になっているのは、おかしいと思っている人がいるかもしれませんが、上記のような厳選を行っているからです。
とはいうものの、なのべく、週五回発行したいので、三回+αという発行頻度にいたします。