週末起業フォーラムによると、起業の障害でもっとも大きい割合をしめているのが、「ネタがない」というものです。それが悩みの約半分を占めるそうです。ついで、「事業化できない」、「時間が足りない」が続きます。
この最大の悩みをコンサルタントである森秀樹氏が丁寧に解説したのがこの『起業のネタ!』です。段階をおって、説明しているため、この『起業のネタ!』に書いてある方法を実行していくと何らかのヒントが得られそうです。ただ、森秀樹氏も本書の後ろに書いてありますが、起業のネタは自分の外に転がっているのではなく、自分の内からわき出るものなので、如何に引き出すかにかかっているようです。
◆専門分野
まず、専門分野を見つける必要があります。専門分野を見つけるには、「好きなこと」、「得意なこと」、「時流に乗っていること」の3つの視点から加賀得ることができます。
まず、好きなことは、「2時間以上しゃべることができる」、「いままでに、何に一番お金を使ったのか」で知ることができます。また、本をよく購入するなら、どの分野の本を買っているかで知ることができます。得意なことは、職業上身につけたスキルがまずあげられます。そして、特に、よいのは「できない」ことが「できる」ようになった体験は説得性が高いので売り物になります。最後に、時流に乗っていることも大切で、次の4つの視点から考えることができます。
1.今後10年間で増えることは?
2.今後10年間で減ることは?
3.今後10年間にわたり、好かれるものは?
4.今後10年間にわたり、嫌われるものは?
増えたり、好かれるもは、その中での需要が見込めます。逆に、減ることや嫌われることからニッチな需要を掘り出すことができます。
◆売る切り口
得意分野が決まったら、売る切り口を考えます。4つあります。
1.モノ
2.技・スキル
3.知識・教え・情報
4.場・ネットワーク
モノを売る場合、価格競争に巻き込まれないものものを売る必要があります。目安として、通信販売の粗利70%を考えるといいでしょう。ちなみに、週末起業で古本を売っている方は、売上20万円で利益が15万円と利益率が75%にもなっています。身近なところにネタがあります。
場・ネットワークとは多対多を結び付けるものです。例えば、With9ではアマチュアバンドのメンバーを結びつけるサービスを行っています。バンドのメンバーで例えばギターが足りなくなったら、そのホームページにアクセスして、条件の合う人を探すことができます。
更に、切り口の組み合わせを考えることができます。例えば、モノと知識・教え・情報を組み合わせて、CD、DVD、小冊子を販売することが考えられます。
◆誰に売るのか
誰に売るかは意外に考えられていません。いくつかの切り口を考えて、組み合わせを考えてみると、広がります。商品軸で考えたものと誰に売るかという顧客軸で考えたものを表にして、ブレイン・ストーミングで多数のアイデアがでるように考えてみましょう。このとき、質より量を重視します。できるだけ多く出して、そして、その後、評価すれば良いのです。
◆まとめ
「専門分野×売る切り口×誰に売るか」の組み合わせで多くのネタが出てきます。それを後で、評価すると見込み高い起業のネタが見つかります。
今回、紹介できませんでしたが、評価の基準、芋ずる式ネタの出し方、オンリーワンの切り口と多くの情報が含まれています。
■■ 今日のエッセンス
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■■ 専門分野は「好きなこと」、「得意なこと」、「時流に乗ること」で。
■■ 切り口は「モノ」、「技・スキル」、「知識・教え・情報」、「場」。
◆起業のネタ!
~起業・新事業のアイデアがザクザク出てくるネタ出し完全マニュアル、
著者:森英樹、出版社:明日香出版社、ISBN:4756908691
後悔度:★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?
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森 英樹
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◆秋
最近、東京は秋めいてきましたね。読書の秋も、良いですね。そして、食欲の秋にもなりそうです。太りつつあるので、怖いですね。