『天才数学者、株にハマる』 by ジョン・アレン・パウロス

この『天才数学者、株にハマる』(ジョン・アレン・パウロス著)は、ちょうど一年前に発売された本です。当時、気になっていました。ようやく、あるブログで紹介されているのをキッカケに読みました。
読んでみて、興味深い法則がこれでもかというぐらいに紹介されており、ある意味、お得な本でした。内容が多岐にわたり、紹介しにくいのですが、印象に残っていることをいくつか拾ってみます。
◆平均ではお金持ち、可能性ではほとんど貧乏
一見、お金持ちになりそうだけど、ほとんどの人は貧乏になるという恐ろしい確率のお話です。ある時期に、以下のようIPO株がありました。(ちなみに、IPOは、新規に株式市場に上場する株の事です。)
・1週間後に、50%の確率で、株価が80%の上昇
・1週間後に、50%の確率で、株価が60%の下落
一年渡り、上記のIPO株が提供されています。ここで、平均的な上昇率を求めると、以下の式のように計算してしまいます。
(100%+80%)×1/2+(100%-60%)×1/2=110%
平均すると、10%の上昇になります。なので、一万円を投資すると、52週後には、以下の値になります。
10,000×(1.1の52乗)=約142万
ところが実際に起こりうる確率の高いものは、26週の間、80%上昇が半分、60%下落が半分。
10,000×1.8の26乗×0.4の26乗=1.96
何処で、間違えたかというと、180%と40%の算術平均ではなく、幾何平均をとる必要が会ったのです。この値は、180%と40%の積の平方根になります。なので、約85%。取引するたびに、15%ずつ損をする計算になります。
ところが、少しでも株を80%高で売る確率が多いと大幅に儲けることができます。なので、儲けの全体をとると、プラスの方向に大きく振れます。
ちなみに、この『天才数学者、株にハマる』では、初歩ずきるために、話題にも出てきませんが、50%損をした場合に、取り返すには、どれくらいの割合を取り戻す必要があるのでしょうか?
そう、200%ですね。損をした場合に、取り返すことが大変な努力が必要な事を憶えておくことは大切です。
◆心理的バイアス
投資家が陥りがちな不合理な行動をいろいろと紹介しています。
・アンカーリング効果
数値を耳にするとどんな数値でも信じてしまう。
e.g.「ウクライナの人口は2億人よりも多でしょうか?」という質問をして、次に、「ウクライナの人口は?」と尋ねると、平均すると2億人近い数になっている。
・利用可能性のある誤謬
心理的に関連のある物事に結びつけて考えてしまう。
e.g.アメリカ軍の行動は常に「ベトナム戦争」と関連づけて語られる
・現状維持のバイアス
多くの選択肢があるのにもかかわらず、現状と同じ行動を取りやすい。
・所有のバイアス
自分が所有しているだけで、他人のモノよりも、高い価値を与える。
・追認バイアス
仮説を肯定する現象のみに注目する。否定する現象を無視してしまう。
◆まとめ
これ以外にも、多くの興味深い話が掲載されています。株取引がブームの用ですが、もし、株をやるのなら、一度、この『天才数学者、株にハマる』に目を通すことをお勧めします。

天才数学者、株にハマる、著者:ジョン・アレン・パウロス

~数字オンチのための投資の考え方
著者:ジョン・アレン・パウロス、出版社:ダイヤモンド社、ISBN:4478630879

後悔度:★★★★★

天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方
天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方 ジョン・アレン・パウロス

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