全脳思考 by 神田昌典

神田昌典氏の7年ぶりの書き下ろしの本格的なビジネス書です。
新境地の書籍のためか、賛否両論が巻き起こっています。Amazonのレビューでは両極端な評価になっています。
私の評価は、「この本は神田昌典氏の最高傑作」という評価です。
特に、企画や新規事業の担当者のように、新しいものを作り出す人には、非常に使いやすいノウハウになっています。今までのMBA的な解決策では、どうしても、画一的な結果になってしまい「んー、なんか他の会社でも思いつきそう」という感じになります。
かといって、企画の職人的な人のノウハウを使っても、その人のバイアスが強くて使いにくく、また、「確かに、斬新だけど、ビジネスに使えるの」的な結果になってしまいがちでした。
それを統合し、しかも、短時間で成果をあげられるような方法が提示されています。500ページ近いページ数で、8章にもわたる内容です。その一部をご紹介します。
◆従来の戦略立案の定石が使えない理由
従来の思考モデルとは、PPM分析、SWOT分析、戦略の3C、MECEなどがあります。それらは、もともと、すでに市場があり、その中でライバルと競争するために生まれた思考モデルです。
現在のように、既存の市場が飽和しているような状況では使えません。なぜなら、市場を新たに創造する必要があるからです。このような状況で必要なのは左脳的な分析的アプローチではなく、右脳的な発想です。
◆全脳思考モデル
全脳思考モデルは、特定のクライアントの120%の幸せな状態から発想していく、新規企画の立案方法です。例があると説明しやすいのですが、それは書籍にゆずります。やり方を簡単に紹介します。
0.準備。この記事にあるような横長の長方形を描きます。
1.未来における特定の顧客の120%HAPPYな状況を子細に描写します。
2.現在の満たされてない顧客の状態を詳細に描写します。
3.顧客が成功にいたる直前のクライマックスを描く。
4.そのクライマックス前の2つの小さな変化を描く。
5.クラマックスに対応するオープニングを考える。
◆TEFCS
TEFCASとは、プロジェクトを進めるときに、実は、直線的にではなく、物語のロジックにしたがった曲線的な過程を描くことを踏まえたプロジェクト進捗の方法です。
長い説明になりましたが、プロジェクトには、全脳思考モデルに似た進捗の曲線があり、それを前もって知ることで成功の確率を高くします。
それぞれの段階を説明します。
Success:成功のイメージを明確にします。
Trials :仮説を試してみる。小さな実験を数多く。
Events :実施した仮説の結果をイベントとして観察する。
Feedback:イベントからのフィードバックを受ける。
Check :フィードバックが信頼性・信憑性のあるものか確認する。
Adjust :目標実現に向けての最終調整・修正ステップ。
Success:思い描いていた成功よりも、多くを受け取る。
◆まとめ
今回紹介した内容は右脳を使う方法です。それだけでなく、左脳を使う従来の論理的な思考方法も統一する手法も提示しています。なので、全脳思考というネーミングなのでしょうね。
単なる情報(データ)が価値を持つ時代から、新しい価値を生み出す能力(知識)を重視する社会に有用な手法だと感じました。
◆全脳思考~結果と行動を生み出す1枚のチャート
著者:神田昌典
出版社:ダイヤモンド社
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

全脳思考
全脳思考 神田 昌典

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◆スマート・フォン購入
イー・モバイルのイーモンスターというスマート・フォンを購入しました。このスマート・フォンは、Windows MobileというPCのWindowsと親和性のよいOSを搭載しています。
イーモンスターは、ちょうど一年前(2008年春)の機種です。
なぜ、新しいiPhoneである「iPhone 3G S」の発売間近に、イーモンスターを購入したのかというとキーボードがあったのと、通信料金が安からったからです。PCとの接続は必須でした。
まだまだ、使い込んでいはないのですが、やはり、PCと同じようなキーボードは入力が快適ですね。これからいろいろとカスタマイズしようか思っています。
ちなみに、イーモンスターのこんな写真を公開したら、女性から
「ぷはっ! 最後の写真、外間さん、かわいすぎっ(≡^∇^≡)」というコメントをもらいました。

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