小さな会社☆儲けのルール by 竹田 陽一、栢野 克己

今日は、ゲスト書評家として、岩橋 亮さんをお招きしました。
岩橋 亮さんの自己紹介:
『行動なくて読書の価値なし』をテーマに中小企業経営に役立つ
実践的なビジネス書・自己紹介書を紹介している書評ブロガー
中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー
ゲスト書評家を希望の方はこちらをご覧ください。


●世の中の情報の9割は大企業のもの
・日本国内の会社の82%は 1~ 9人までの会社
・日本国内の会社の13%は10~29人までの会社
・日本国内の会社の 4%は30~99人までの会社
上記3点から日本の会社の99%は100人未満の
小さな会社です。ちなみに大きな会社は下記の通りです。
・日本国内の会社の0.035%(2,500社)は1000人以上の会社
・3000人以上の会社は約500社
・1万人以上の会社は約100社
日本の99%が小さな会社であるにも関わらず、
世の中の情報の9割は大企業のものであると本書は
指摘しています。
そして、本書はその99%の小さな会社のための
7つの成功戦略について書かれています。
7つとは、基本戦略、商品戦略、エリア戦略、
客層戦略、営業戦略、顧客戦略、時間戦略です。
局地戦を接近戦で勝つ。これがランチェスター経営の
ポイントのようです。接近戦とはできる限り
エンドユーザーに近づくことです。
●営業エリアは狭くする。弱者は都心部へ進出してはいけない
営業エリアは狭くすること。
仕事の時間は、移動時間・社内時間・面談時間
(お客様活動時間)に分けられます。
この中で粗利益を生み出すのは
面談時間(お客様活動時間)です。
そのためには最も減らすべきなのは
何の利益も生まない移動時間です。
たくさん移動することで仕事を頑張っていると
錯覚してはいけません。移動時間は全体の時間の
30%以下に減らすことです。
通常、ビジネスをする場合は都心部への
進出を考える人が多いですが、本書は
”東京で三流よりも田舎で一流を目指すべき”と
述べられています。
都心部はお客も多いですが、その分敵も多いです。
なので、都心部なら盲点、死角をまず狙い、
地方でも誰も行かないエリアを狙います。
●法人営業の狙い目は中小企業の創業者
まず、客層は絞ることです。
「誰にでも売る」は強者の戦略です。
法人営業の場合、中小企業の創業者がおすすめです。
なぜなら、創業者は独立した当初の苦労を自ら
味わっています。なので、独立して頑張る人の
気持ちを組んでくれる人がいるためです。
●成功するためには長時間労働が不可欠
本書の最大の特徴はこの弱者の時間戦略です。
世界のホンダを築いた本田宗一郎さんは
年間5,500時間労働を35年、京セラの
稲森さんは年間5,000時間労働を30年
継続されています。
成功者はほぼ例外なく朝が早くて長時間労働とのことです。
独立して楽して儲けられることはない。
独立するなら最初の5年に少なくとも
年3,700時間以上を費やすべきです。
成功の公式
 人生=素質×時間の2乗+過去の実績
素質と過去の実績が中か中の下であるならば、
あとは時間を費やすこと。
特定の分野で入門クラスになるなら500時間、
1000人の中で5位以内に入るなら5,000時間、
全国3位以内に入るなら10,000時間を費やす
ことが必要。
食べるためだけの長時間労働は悲しくて
貧しい気持ちになりますが、自分の才能と
人間性を磨くために時間を使うのであれば
決して貧しい心にはならない。
●商品3分に売り7分
日本人の大人の8.5人に1人は社長です。
しかし、独立後10年続くのは
2割しかいないとのことです。
その2割になるために、時間戦略は独立に
必要な意気込み、姿勢を教えてくれます。
また、本書は”商品3分に売り7分”を
キーワードに会社が生きていくために必要な
”粗利益の確保”を最優先事項として、
商品戦略、営業(エリア・客層・営業・顧客)
戦略について重点的に述べられています。
本書は経営全体のうち、商品と営業が80%で、
組織と資金を20%としており、組織と資金に
ついては述べられておりません。
まずは売る商品、そしてその倍以上を営業に
費やすこと。独立してみてその意味は本当に
よくわかります。
本書では各戦略についての事例も豊富で、
全部で30事例が掲載されています。
実践の書として申し分ない内容です。
これから独立する人、これから独立しようと
している人にぜひ一度目を通していただきたい
一冊です。
◆小さな会社☆儲けのルール~ランチェスター経営7つの成功戦略
著者:竹田 陽一、栢野 克己
出版社:フォレスト出版
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略
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■編集後記
◆定額給付金
今日、定額給付金の手続きをやっていなことに気が付きました。いい加減、やらねば。
ちなみに、1.2万円でしたね。この定額給付金の政策決定後、次々と、景気対策を重ねて、75兆円もの金額を投入したようです。ただし、49兆円は保証・貸出枠や銀行への資本注入枠などで、実質は26兆円のようです。
26兆円、1億人に分配すると、26万円ですね。せめて、このくらいなると使いでがありそうです。エコポイント(どこがエコ?)などの変な政策を実施するなら、そのまま、ばらまけばよかたのにね。
というのは、変な政策を実施するときに、意外に人件費などの間接費がかさみそうなので、それがなくなります。それと、人為的に決めると利権のある斜陽産業にお金がながれがちです。それなら、使い道を個人に任せた方が、有望な成長産業にお金が流れそうですね。
(Tulipa)

コメント

  1. ありがとうございます!
    この本は師匠の講演や雑談・教材を私がまとめ、事例は私が主催のベンチャー大学ゲストから抜粋しました。発売から7年ですが、今年も増刷になり、中国語版(台湾)・タイ語版を含めてちょうど10万部です。経営の全体像を書いた経営戦略で、面白みにはかけます。逆に大半のビジネス書は、戦術本です。合わせて読むと理解と業績が向上します。

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