お客様は「えこひいき」しなさい! by 高田靖久

今日は、ゲスト書評家として、岩橋 亮さんをお招きしました。
岩橋 亮さんの自己紹介:
『行動なくて読書の価値なし』をテーマに中小企業経営に役立つ
実践的なビジネス書・自己紹介書を紹介している書評ブロガー
中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー
ゲスト書評家を希望の方はこちらをご覧ください。


●実践的えこひいきマーケティング
<売れる仕組みを構成する4つの手法>
1.新規客を集める手法
2.客を固定客にする手法
3.客を成長させる手法
4.客を維持する手法
高田氏は売れる仕組み構築プログラムを
この4つの手法からなるとし、本書では
”3.客を成長させる手法”をテーマに
しています。
私自身、常連客として不安があります。
それは11年間同じ携帯会社で番号も
変えずに継続していても、優遇されるのは
新規顧客ばかりで、長年使い続けている特典の
ない定額プランには納得がいきません。
また、お気に入りのラーメン屋で、炒飯に
入っている、紅ショウガをいつも私はお願いして
抜いてもらうのですが、何度も行くことで、
「兄ちゃん、紅ショウガいらんかったね」
とマスターから言ってもらえた時は
ちょっとしたことですが、嬉しい
気持ちになりました。
常連客は感情的に”特別扱い”されていると
感じるともっとそのお店のファンになることは
実感を含めて同感です。
自社にとって本当に大切なお客様を
認識し、大切にする高田氏の
えきひいきマーケティングは
とても実践的でおもしろい発想です。
●どの客をえこひいきすべきか?
結論はズバリ年間累計売上高です。
この把握のためにお客様別売上高を
把握する顧客データベースが必要です。
毎月訪問して100円の買い物をする
お客様より、年に一回でも10,000円
買ってくださるお客様の方が利益に
貢献しています。
いつも気前よく買い物をしてくださる
お客様はすぐに上得意様とわかりますが、
毎回の買い物がインパクトがない金額だが、
定期的に訪問していて合計金額が実は多い
お客様は感覚ではなかなか見抜けません。
お客様別年間累計売上高をチェックしてみると、
多くの経営者が、
「このお客さんはこんなに買ってくれていたのか!!」
という驚きの声をあげるとのことです。
高田氏の統計によると、お客様別年間累計売上高の
上位10%(ファン客層)で売上の45%、
次の20%(得意客層)で売上の30%、合わせて
上位30%のお客様で売上の75%を構成している
とのことです。貴社は本当に大切なお客様をきちんと
把握していて、大切に誠実に対応していますか?
●リッツカールトンの世界最高レベルのえこひいき
サービスの世界で有名なリッツカールトンホテル、
このホテルは通常でも非常にレベルの高いサービスが
受けられるそうですが、利用回数が増えるごとに最高を
超えるサービスを受けられるとのことです。
”ロイヤルカスタマー”と位置づけられるお客様には
そのお客様に喜んでいただけるために四六時中考える
ドリームチームが結成されます。
また、エンパワーメント(権限委譲)により、
従業員1人に1日2,000ドルまでを
自由にお客様サービスのために使用できるようになっています。
<驚愕のえこひいきの例>
・エレベーターの中で知らないスタッフに
 いきなり名前を呼ばれた。
・到着時間を伝えていないのに、空港まで
 ホテルのリムジンが迎えに来ていた。
・何も言っていないのに、イタリアンのシェフが
 好物のタイ料理を作ってくれた。
・誕生日の朝、何時に朝食をとるか伝えていないのに、
 朝食会場に向かう途中、100人以上のスタッフに
 並ばれて「誕生日おめでとうございます。」の声がかかった。
リッツカールトンは顧客情報を本社で一元管理しているため、
ロイヤルカスタマーには世界中のどこのホテルでもこのような
驚愕のサービスを提供できます。
●ランクアップシステムを実行せよ!
えこひいきマーケティングはリッツカールトンのような
大企業ではなく、中小企業でも実践可能です。
それを可能にするのはお客様カードの活用です。
機械を使うカードではなく、紙のカードでも十分です。
実際に高田氏の顧客は9割が紙カードを活用されている
とのことです。
通常のお客様カードの欠点は、一度貯めてしまうと
またゼロから貯めなおすことを考えるとテンションが
下がってしまうことです。
しかし、カードを貯めるごとに、ランクが上がって
お店のサービスもランクアップしていくとどうでしょうか。
ランクはレギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナ
といったものです。
ポイントはランクに応じてどのように”えこひいき”
したら喜んでもらえるかを経営者だけでなく、パートさんや
アルバイトさんも巻き込んで検討し、改良していくことです。
●えこひいきマーケティングはその他の客を切り捨てるものではない
最終章で高田氏は言います。
「100円の客であっても、100万円の客であっても、差別なく
 最高のサービスを提供しよう。しかし、飛び抜けて利益を落として
 帰るお客様にはそのことに感謝の意を示そう。
 もし可能であれば、感謝を形に変え、サービスで提供しよう。
 なぜならば、全ての客にサービスを提供しようとすると、
 経費がかかりすぎてできないサービスが生まれる。
 どのみち全ての客にできないことならば、
 飛び抜けた客にだけでも、そのサービスを提供しよう。
 全ての客に最高のサービスを提供しているならば、
 それを超えたサービスを上位客には提供しよう」
本書では、ヘアサロン”RITZ”、JALのマイレージサービス、
小さな居酒屋などさまざまな事例を交えてえきひいきマーケティングが
語られています。インターネットやメルマガの活用方法にも触れ
られており、とても実践的な内容です。
”えこひいき”は店長や女将さんだけができてもダメです。
どのスタッフが対応しても、”えこひいき”ができることが
重要です。そのためには顧客情報は店長や女将さんの頭の中ではなく、
スタッフの誰もがいつでも確認できるように整備されていなければ
なりません。
貴社も本書をヒントに、貴社オリジナルの”えこひいきマーケティング”
の仕組みを作り、ファン客、得意客の心をがっちりとつかまれたら
いかがでしょうか?
◆「顧客差別」で3倍売れる! お客様は「えこひいき」しなさい!
著者:高田靖久
出版社:中経出版
後悔度:★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

お客様は「えこひいき」しなさい !
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stars切り口があざといんで、点数下げておきますね
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■編集後記
◆新しい携帯が欲しくなってきました
なぜだか、最近、新しい携帯が欲しくなってきました。
現在、持っているのは2年ほど前に購入したauのMediaSkinという携帯です。デザイン重視の携帯だけあって、あきはこないのですが、機能的に見劣りがします。
更に、ちょうど、料金体系が変わる前なので、何か損をしている気分です。
購入候補は、S001というカメラ機能重視の携帯か、iPhone 3GSです。
少しだけ、葛藤中です。

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