●美容師は最強のサービス業
それは美容師が3つの要素を備えており、
その3つを兼ね備えなければならない
仕事がちょっと他に見あたらないからだ。
1.技術
仕事時間外は毎日毎日が練習の日々。
2.センス
「ヘアースタイルをデザインする力」のこと。
単なる技術者ではなく、美容師はデザイナー
でもなければならない。
3.対人関係能力
お客様とのコミュニケーションのこと。
第一印象(身だしなみなど)、
トーク(テクニカルトーク、デザイントーク)
この3つの要素をたった一人で提供する、
これが美容師のサービスだ。
この3つ要素を常に磨き続け、バランスを
とりつづける。そうしてこそ、美容師は
ナンバーワンのサービスパーソンなんだ。
本書ではそんな美容業界で最先端を走る
ヘアサロン「RITZ」がどのような
マネジメントを行い、最強のサービスを
実現しているのかをオーナー自らが紹介しています。
以下に印象に残った点を3点ご紹介します。
(1)9つの瞬間
「すべてのプロセスがうまくいかないと、
お客様はまた来てくれない。」
1.リッツを知る
2.予約
3.入店
4.カウンセリング/施術
5.パーマ・カラー待ち
6.仕上がり
7.会計
8.ほめられる
9.DM
この9つのプロセスひとつひとつに
お客様がリッツから離れていく、
つまり「もう2度と来てくれない」
可能性が潜んでいる。
逆に、9つのプロセスをきちんと
こなしていれば、少なくとも心理的な
部分でお客様を失うことはない。
(2)クレドカード
クレドとは集団としての方向性、指針をスタッフに伝え、
浸透させるためのツール。私が敬愛するホテル
「ザ・リッツ・カールトン」のクレドカードを参考に
リッツカードをつくったものだ。
リッツのクレドカードの構成
・3つのビジョン
・6つのミッション
・18のサービスベーシック
・自分の笑顔の写真
・自分のセルフイメージ
・ゴール(目標)
これはリッツのスタッフ全員で決めたもので、
更新するときは、主だったメンバーが
ミーティングのための合宿をする。
(3)マニュアルは誰のものか
ベーシックな部分のマニュアルは絶対に必要だと思う。
「システム」として動かすべきものはマニュアル化すべき。
問題はマニュアルをどう見るか。
組織の中で共通言語は必要。また、
スタッフにとって、マニュアルを「自分たちでつくり
あげたもの」に見せなければいけない。
マニュアルに対するスタッフからの意見は大歓迎。
リッツ各店からの意見が毎日メールで事務所に
集まるシステムになっている。
マニュアルの怖さは、
「みんながマニュアルどおりにやって、
オリジナリティがなくなる。」
ということより、
「みんながマニュアルについて考えなくなった」
ときの怖さだと思う。
●リッツのマネジメントシステムを公開
(1)で述べた9つの瞬間については、
ひとつひとつを掘り下げて解説しています。
スタッフの育成や自己啓発支援も
リッツは仕組みとして行っております。
リッツのサービスマネジメントは異業種でも
応用できるヒントがたくさんこもっています。
オーナーの物語も書かれていて、美容業で
独立を目指す人には大変良い刺激になる本です。
◆すべては記憶に残るサービスのために
著者:金井 豊
出版社:フォレスト出版
後悔度:★★★★
★★★★★:読まないと、絶対、後悔する
★★★★ :読まないと、とても後悔する
★★★ :読まないと、やっぱり後悔する
★★ :読まないと、後悔する気がする
★ :読まないと、後悔するかな?
すべては記憶に残るサービスのために―最先端ヘアサロン「RITZ」がなにをやっているか | |
おすすめ平均 おすすめです☆ これだけ良い箇所一切無しの本も珍しい… 人は勝手に育たない 店舗運営をしている人必見!!!です。 現場のパワーが伝わってきます by G-Tools |
今日は、ゲスト書評家として、岩橋 亮さんをお招きしました。
岩橋 亮さんの自己紹介:
『行動なくて読書の価値なし』をテーマに中小企業経営に役立つ
実践的なビジネス書・自己紹介書を紹介している書評ブロガー
中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー
ゲスト書評家を希望の方はこちらをご覧ください。
■編集後記
◆沖縄にお引っ越し
流行の沖縄移住ではありません。
プライベートな事情で、沖縄に引っ越しします。
実家が沖縄にあり、大学まで沖縄に住んでいました。
気がついてみると、20年ぐらい東京に住んでいます。
おかげで、アパートを探すのに完全に土地勘がなくて、困っていました。
で、結局、親戚が持て余しているマンションに住むことになりそうです。
そのマンションは、沖縄でもかなり栄えている場所にあります。
なので、今、住んでいる場所よりも都会の生活になりそうです。(笑)