社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった by 香取 貴信

●ディズニーランドで筆者が実際に働いたエピソードを物語調で紹介
筆者が学生の頃から実際にディズニーランドで働いてきた中での
失敗体験や、そこで学んだことをやわらかい口調で語られています。
サービスについての理論的なものではなく、実際の体験から
学んだ「働くこと」「教えること」「本当のサービス」が
語られています。
読書慣れしていない人でも気軽に読める本です。
社会人になりたての人、パート・アルバイトをはじめた人などに
社会人としての基本を物語で理解してもらいたい時に
読んでもらう等、新人教育に適した内容だと思います。
(1)必要なのは前向きに考えて「行動できる」チーム
(筆者がリーダー役のミーティングで他人の意見の評価ばかりして、
 結局自分の案がないことが発覚した後の上司からの言葉。)
「香取君がリーダーなのは、みんなわかってる。
 でも、いまのままじゃ、わがままなだけになっちゃうよ。
 考えてこれなかったのはしょうがないんだから、
 それは正直にいって、そのうえで、みんなから出た
 意見をよりよい方向へもっていくのが本当のリーダーだよ。
 ここには評論家は要らないんだよ。必要なのは、
 いつも前向きに考えて『行動できる』チームなんだよ。」
ごもっともでした。当時の私は、なんでも自分が中心に
なっていないと気がすまない、いくら人の意見がよい
ものでも、いったん人の意見を否定して、それでみんなの
注目を集めようとしていた、ただの「わがままな評論家」でした。
その後、みんなに謝って、一緒に考えてもらうことにしました。
じつは、一緒に考えてもらうことを当時の私は「負け」のように
感じていたのです。自分のことを中心に考えて、チームとして
キャンペーンを成功させようという意志がなかったのですね。
いまでもミーティングになると、宮外さんが教えてくれた
「ミーティングに評論家はいらない」という言葉を思い出します。
(2)パレードの準備と後片付けの仕事
(新人スタッフにいきなりゲスト(お客様)に
 パレードの説明をしてもらった後に上司より)
「俺たちの仕事は、ただパレードの準備をして、
 あとかたづけするだけじゃないんだよ。
 『一緒にパレードをつくってゲストに喜んで
 もらえる仕事なんだ』っていうことだよ。
 このパークの素晴らしいところは、パレードを
 見に来てくれたゲストが喜んでくれることで、
 スタッフも喜べる仕事ってこと。人の喜んでいる
 姿を見て、自分の幸せにつながる仕事って、
 なかなかないでしょ。
 だから、今回の新人スタッフには、いちばんはじめに、
 俺たちの仕事のすばらしさを体験してもらいたかったんだ。
 人間、最初に受けた感動は絶対忘れないから」
(3)一生懸命にやっている姿が価値を生むんだ
(新人の方が、ベテランになった筆者よりも
 ガイドぶりが良かったと言った上司の続きの言葉)
 「そう。このアトラクションで必要なことは、
  どんなにヘタでもいいから”一生懸命”に
  やることなんだよ」
 「今日の新人は、まだ4日目。ヘタだったろう?
  でもな、いまのおまえにはない”一生懸命”さが
  あったよね。だから、ゲストも感動してくれたんじゃ
  ないのかな?
  いってみれば、このアトラクションはつくりものなんだよ。
  ゲストもみんなわかってる。でも、そのつくりものを本物
  として、一生懸命にやっている姿が、ゲストにとって
  おもしろいし、価値を生むんじゃないかと俺は思うよ!!
  いまのおまえは、何百周もガイドを回ってきて、
  手を抜くところを自然と身につけてしまったんだな。
  そんなの、ゲストはすぐに見破るよ!!だからおもしろくないし、
  一生懸命さが伝わってこないんだよ。うまくごまかそうとしている
  ガイドなんだな
  俺たちは、まだまだプロじゃない、プロにくらべたら、表現力や話術
  なんて、ぜんぜんかなわない。でも、一生懸命に全力ですべての
  ガイドを回ることはできる。そこが、いまのおまえにはなくて、
  今日のトレーニーにはあったんだな。うまくやろうとしなくて
  いいんだよ。御前が最初にデビューしたころのように、
  いつでも全力で一生懸命にやるんだよ」
●サービスの最低条件
どんな人にもできて、だけどとても大切な最低条件
それは、「いつでも絶対に手を抜かないこと」
「いま目の前にいるゲストの全力で接すること」です。
だって、いま私たちの目の前にいるゲストは、
もう2度と(ディズニーランドに)来れないかも
しれないのだから…。
物語調で語っているので、ピックアップでは
うまく伝わらないとは思いますが、忘れかけていた
初心に気付かせてくれる一冊でもあります。
ディズニーの育成スタッフ、サービスの実践を
楽しく学べます。
◆社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった
著者:香取 貴信
出版社:こう書房
後悔度:★★★★
★★★★★:読まないと、絶対、後悔する
★★★★ :読まないと、とても後悔する
★★★  :読まないと、やっぱり後悔する
★★   :読まないと、後悔する気がする
★    :読まないと、後悔するかな?
◆詳細&購入

社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! (KOU BUSINESS)
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岩橋 亮さんの自己紹介:
『行動なくて読書の価値なし』をテーマに中小企業経営に役立つ
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中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー
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■編集後記
◆iPhoe 4 申込開始
今日から、ソフトバンクで、申込を受け付けますね。
これまで、iPhoneの購入は見送っていたのですが、
ハードウェア的にも、日本の携帯と遜色ないレベルに
なったので、購入します。
さて、実際、どれくらいの人気になるのか楽しみです。

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