カネは後からついてくる!世界一の職人が教える仕事の哲学 by 岡野雅行

●世界一の職人が教える仕事の哲学
筆者は従業員5人の町工場の代表社員です。
「技術的に難しくて誰にもできない仕事」と
「安すぎて人が敬遠する仕事」をモットーとして、
大学の教授が技術的に不可能と断念した、
針穴の直径が0.08ミリという世界一細い「痛くない
注射針」の量産化や、携帯電話の小型化に貢献した
リチウムイオン電池ケースにより、「世界一の職人」
「金型の魔術師」として知られておられます。
本書は岡野氏の話し口調で、生きた仕事哲学が
楽しく書かれております。
・ガードが堅い人より「ナメられやすいヤツ」になれ
・「あいつがいると座が盛り上がる」と言われる人になるコツ
・実力者に「こいつには、ダマされてやろう」
 と思われるのは、どんな人か
・水面下の「決定的情報」をかぎ分ける「察しのよさ」
 を磨く方法
・「人が寄ってくるオーラ」は、どうすれば身につくか
・本業以外の「芸」が、本業に大差をつける!
学校や職場じゃ、みんなこの逆を教わってきてるんだろうけど、
こんな人になってみなよ。ほっといても「おいしい情報」が
集まってくるし、「この話は、あいつに言わないわけにはいかない」
って思われる存在になれるよ。
値引きはしない。相手がどんなに大企業でも気に入らなければ
仕事を断る。特許は大企業ととるなど、型破りで生きた知恵が
満載の一冊です。
(1)自分だけ儲けるより、他人を儲けさせろ
きれいに金を儲ける”極意”を知ってるかい?
ズバリ、他人を儲けさせることだ。俺がそうして
きたんだから間違いない。儲けを独り占めして
「俺は商売上手だ」なんていい気になってたら、
必ずしっぺ返しを喰らうぞ。
人を儲けさせれば、相手はこっちをほっとかないよ。
いつも、「岡野に仕事を紹介しなきゃな」って考えてて
くれるもんなんだ。
何かあれば情報を持ってくる。それで話がまとまったら、
俺も儲かるし、仕事をした相手も儲かる。
もちろん、紹介してくれた人間だってちゃんと儲け
させるよ。やっぱり、商売はこうでなきゃ。
うちが受けた仕事を外注に出すこともあるけど、
そのときも、俺は絶対値切ったりしないね。
ふつうは外注先からできるだけ多く頭をハネる
ことしか考えないだろ。一個10円だと言ってきたら、
なんとか8円にしろ、7円にならねぇか、と値切って、
てめぇの利益を少しでも増やすことしか考えないよな?
「見積もりより高くしろ」
なんて会社、聞いたことないだろ?
だけど、俺は他人の利益を掠めとるような真似は
性分にあわないんだよ。10円で見積もってきたって、
それじゃ安いなと思ったら、俺のほうから言うもん。
「無理すんなよ。15円で大丈夫だよ。な、15円に
 しときなよ」
自分だけ儲けりゃいいって根性だと、誰もついてこなく
なるんだよ。
(2)儲かったらサッサと見切る
せっかく儲かってる仕事をしてるのに、ジリ貧に
なっちまうことがあることがあるだろ?
あれ、なんだかわかるか?
見切りどきを読めないからなんだよ。
新しい技術を開発して、どこにでもできない製品を
つくったら儲かるってのは、誰にでもわかる道理だ。
だけど、それがずっと続くわけじゃないんだよ。
競合するとこが出てきたら価格競争になるのは目に
見えてる。なかには設備投資をして人員を増やして
取りに来るとこもあるよ。値段はがた落ちになるね。
俺はそうなる前にプラントごと売っちまう。
目安は三年ってところかな。携帯電話だって、
液晶テレビだって、出始めて三年も経ちゃ値段は
半分以下になってるだろ。そこまでしがみついてちゃ、
儲けを吐き出すしかないんだよ。
俺は性分からしても、おんなじ仕事をずっと続ける
なんて嫌だね。いつも新しいもの、新しいものって、
追っかけてるほうがおもしろい。
そうしなきゃ、自分自身の進歩もないんだよ。
追っかけてるからアイディアも生まれる。
新陳代謝をしなきゃ、脱皮なんかできないよ、違うかい?
(3)売られたケンカは受けて立て!
いくら技術が高い会社でも、量産してるうちには
少しは不良品が出るんだよ。発注元の大企業も
それは折り込みずみだから、文句の対象にはならないけど、
うちはその不良品も絶対出さないからね。
「痛くない注射針」も1年で1億納めて、一本も不良品なし。
ほかとは精度が違う。こっちから
「したきゃ、下請け扱いしなよ」
と言ったって、企業は
「そ、そんな、めっそうもない」
ってのが、岡野工業と企業との関係なんだよ。
みんなも、雇われ人根性は持たないほうがいいね。
その根性に囚われちまうと、理不尽に耐えるのが
習い性になるんだよ。
言いたいことも言えない。悪くも無いのに謝っちまう。
ダメだよ、そんなんじゃ。
なにか一つでいいから、「こいつだけは自信がある」
ってもんを早く持つといいね。それがあると、
俺はこの会社でここはいっぱしにやってるんだ、
と思える。会社っている組織に引け目を感じることが
なくなるんだよ。
こっちに落ち度がないときは、頭なんか下げるんじゃないぞ!
とにかくその場がおさまりゃいいなんて考えて、謝っち
まったら、謝りぐせがつくね。
こいつが厄介なんだ。ちょっと強気に出れば、あいつは
すぐ頭を下げるなんて思われたら、相手はどんどん頭に
乗ってくる。無理難題を押しつけられて、にっちもさっちも
いかなくなるんだよ。
●「ざまあみろ」が俺の原動力だ
俺は学歴はないし、劣等感だってたっぷりあるよ。
だから、大企業の大学とか大学院を出たエンジニアが、
どうしてもできないってモノがあると、
「俺がやってやろうじゃねぇか」
って気になるんだ。半年かかろうが、一年かかろうが、
俺はやる。できたときの痛快さったらない。
「ざまあみろ!」の極地だね。俺のいちばんの原動力
といったら、断然、そいつなんだ。
どれもそこそこ平均点っていうんじゃ、俺はつまんないと思うね。
一カ所飛び抜けてりゃ、どんな世の中になったって生きていける
んだからよ。
景気がいいてことに胡座をかいて、「平均点でいいや」って
やってきたら、不景気になったとき、仕事がなくなるのは
当たり前じゃねぇか。
私が学生時代に衝撃を受けた本田宗一郎さんにも通じるものを
感じる痛快な一冊でした。同時にまだまだ足りない部分がある
ことを再確認させてもらいました。
自分の殻を破りたい方には大変良い刺激になる本だと思います。
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◆『カネは後からついてくる!世界一の職人が教える仕事の哲学』
著者:岡野 雅行
出版社:青春出版社
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと、絶対、後悔する
★★★★ :読まないと、とても後悔する
★★★  :読まないと、やっぱり後悔する
★★   :読まないと、後悔する気がする
★    :読まないと、後悔するかな?
◆詳細&購入

カネは後からついてくる!
カネは後からついてくる! 岡野 雅行

おすすめ平均
stars発想が素晴らしい。
starsやはり、最後は《運》ですね。
stars愉快痛快
stars人のやらないことをやる達人!
stars生き方の参考になります

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■編集後記
◆Jimmy’s!
沖縄にJimmy’sというアメリンカンなスーパーがあります。
ここが昔からのお気に入りです。
Jimmy’sの売れ筋はケーキやクッキーなのですが、
これが古き良きアメリカって感じで、最高です。
Jimmy’sの大山店の写真を撮って見ました。
なんか、ハワイにあるようなスーパーの外観です。
http://ameblo.jp/tulipa990/entry-10693035628.html

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