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テストテスト

『プロジェクトはなぜ失敗するのか』 by 伊藤健太郎

プロジェクトとは、失敗するもの
著者は、「プロジェクトは、何もしないと失敗するもの」という視点から、プロジェクト・マネジメントを考えるということを提案しています。
最初の章は、典型的な失敗プロジェクトを、ちょっとした物語形式で描いています。それをプロジェクト・マネジメントの手法ではどうするか解説していきます。
私も、同じITプロジェクトの現場にいるものとして、「あるある」と内心うなずきながら、読みました。
簡単に、その物語のアウトラインを描いてみます。
戦略物件
営業側から、会社トップへ、ある案件を取ると、この会社の別の同種のプロジェクトの受注の確度が高まり、かつ、会社にあるソフトウェア資産を使えるのではと、最初のプロジェクトはある程度利益を犠牲しでても取りにいくということについての承諾をとりつけます。
いけいけ!
システム部門との打ち合わせで、現状の情報では、自社のソフトウェア資産を使えるのかに少し不安があると述べます。しかし、営業としては是非ともとりたいので、このことはトップに伏せて話を進めます。
プロジェクト・マネジャー任命
ついに、受注を獲得して、プロジェクトが開始されました。しかし、このプロジェクトの背景を十分に知らないシステム部門長は、「今度のプロジェクトは利益の確保が厳しいが厳しいがかんばってくれ」と、職人的プロジェト・マネジャーに言います。
プロジェクト開始
コストが厳しいので、少々、進捗管理に難があるが単価が安い会社に外注を出します。さて、ユーザーと打ち合わせを進めると、案の定、自社のソフトウェア資産は使えないことが判明します。プロジェクト・マネジャーは多少のことはなんとか自力で乗り切ろうと決意します。自分と部下に発破をかけます。
プロジェクト中期
なかなかユーザーとの話し合いがうまくいかず、仕様が固まりません。納期に間に合わせないことが、だんだんと確実になり始めます。ついに、プロジェクト・マネジャーは見切りで仕様を決めシステム構築を始めます。
プロジェクト後期
プロジェクトは、もう過大な負荷の中で進められています。そこへ、外注の思った以上の進捗遅れが判明します。ユーザーとの話し合いの中では、「ユーザーは無茶なことをいう」という趣旨の発言がもれてきました。もう、収集が困難になりました。
プロジェクト崩壊
できあがったシステムをみて、ユーザーからは、「使い物にならない」と言い放たれました。しかたなく、別のプロジェクト・マネジャーが投入され、結局、当初の3倍の予算で終了しました。当初目的にあった同種の他のプロジェクトの受注も、取ることはできませんでした。
さて、どこかいけなかったのでしょうか。プロジェクト・マネジメントの手法で解決を考えてみます。
「いけいけ!」の時に
ステークホルダーで、リスクを共有する機会がありませんでした。ある程度、リスクを共有していれば、もう少し、うまく対応できたかもしれません。
「プロジェクト・マネジャー任命」の時に
この際に、プロジェクトの背景や目的を明らかにして、プロジェクト・マネジャーを任命して置くべきでした。このプロジェクトの最優先事項は、
・新規顧客の開拓
・同種のプロジェクトを取る
でした。
しかし、プロジェクト・マネジャーは、単発のプロジェクトのコスト削減が最優先と誤解していました。プロジェクト・マネジャーは、「このプロジェクトの成功とは何?」と尋ねる必要がありました。
「プロジェクト開始」の時に
プロジェクト・マネジャーは、一人で問題の解決を図ろうとしていました。しかし、頻繁に上司に報告し、プロジェクトの状況を共有し、不測の事態に備える必要がありました。
また、顧客もプロジェクトの一員と考えて、管理していく必要がありました。顧客がする作業を明確にして、その状況を管理していく必要があります。また、必要であれば、プロジェクト・マネジメントを教育を受けてもらう必要もあります。効果的なのは、最終的なプロジェクトの遅れへどのうように影響するか、ツールを使用してシミュレートするプレゼンも効果的です。
更に、コストを安くするために、単価の安い会社を使用する際に、考慮すべきことは、管理コストを考えて、トータルとしてコストが安いかという視点からチェックされているかということです。
プロジェクトは、地雷原を歩いていくようなものです。地雷というリスクがあちこちにあります。そこをぼんやりと歩くのではなく、十分に、地雷のありかを確認して慎重にアルク必要があります。その際に、プロジェクト・マネジメントの手法は、頼り甲斐のあるツールとなり得ます。
プロジェクトはなぜ失敗するのか-知っておきたいITプロジェクト成功の鍵
著者:伊藤健太郎、出版社:日経BP社
後悔度:★★★ (三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する


つい、ながながと書いてしまいました。要約した部分は、全体の3分の1ほどです。やはり、日常、取り組んでいることは、さらっと書けないですね。

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