【コミュニケーションを促進するアイディアの宝庫】
本書を再三読むと、著者のスマートさが際だっている様に感じました。普通の人なら、人間関係で自然に発生する感情に強く捕らわれて、周りが見えなくなっている状態になります。しかし、著者は冷静に観察して、コミュニケーションを活性化して、特定の目標に向かうようにうまく誘導していきます。一つ一つは、小さな事でも、一貫して皆の力を特定の目的に焦点を合わして、結果を出していく姿勢に好感を持ちしました。
具体的に、本書で紹介されている事をピックアップします。
相手の主張することで、自分の価値観でどうでもいいことは、受け入れます。人から治かずいてもらうためには、「優越感を持ってもらうこと」、「楽しいこと」、「得をさせてあげること」の3つしかありません。「得をさせてあげること」は、常にそうすることはできません。それに、比べて、「優越感を持ってもらうこと」は、自分の気持ち次第でどうにでもなります。
雑談のなかでも、相手の目をちゃんと見てはなしていれば、相手がどんなことに一番関心をもってはなしている事がわかります。その部分について、別の機会に何回もお聞きするのです。そうすると相手は自分の言いたいことを聞いてくれたということで喜んでくれます。
運が強いという人というのは、可能性が高いことをちっとやっている人であり、運の弱い人は、可能性の高いことを当たり前と思って見過ごしていて、可能性の低いことをするのがすばらしいことだと思っている人のことかもしれません。
憎まれた時で、大切なことは、相手と同じ思いを持たないことです。自分がたとえ悪く思っていても言葉や態度に出さず、相手をはめておけばいいのです。相手の憎悪を無視してしまえば、それ以上悪い感情が広がる可能性は少なくなるのです。
お葬式の場で、ホテルマンがお焼香に来た人にこう頼みます。
「今日の喪主は、『こんな葬式でよかったのか』と悩んでいます。ですから、帰りに『立派な葬式だ』といってあげてください」と。すると、頼まれた人はポジティブな言葉なので、言ってくれる可能性は高いのです。その後、帰宅したころを見計らって、
「喪主の○○さんは本当に喜んでおられました」と伝えます。
喪主の○○さんはには、次の様に伝えます。
「○○さんよかったですね。△△さんがああいうふうにおっしゃたように・・・」
人が喜んでいる、人が誉めているという橋渡しをすることが大事なサービスです。
提言や提案を一回で諦めてはいけません。二回目はもっとわかりやすく正確に提案します。それでも、ダメなら念を押します。それで、ノーであれば、一応諦めます。提案が通らなくても、思いは相手に伝わったはずですし、覚えてくれます。その後に、あの提案は有効だったということがわかれば、「彼の言うとおりになった。彼はできる」という評価につながります。
これらの事に、一貫している視点は、さほどリスクはなくけど、続けることにより可能性の高めることに力を傾けていることです。
自分と未来は変えられる
他人と過去は変えられない
< strong >著者:高塚猛、出版社:かんき出版
後悔度:★★★(三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する