白潟敏朗氏は300社も手がけたベテランの経営コンサルタントです。白潟敏朗氏が著したこの『上司のすごいしかけ』は1,000社で効果を上げた手法のです。かんたん実行、ばつぐん効果、らくらく継続の言葉どおりの内容でした。
タイトルから連想される『すごい会議』『すごいやり方』『すごい解決』著者の大橋禅太郎氏とタッチが似ています。手法を前面に押し出して、解説・個別の例をあげるという形式です。『上司のすごいしかけ』を読むと20個のすごいしかけが手に入ります。
20個のしかけのうち、今回と次回で、6個、興味深く感じたものをピックアッします。
◆やりたいことアンケート
やりたいことアンケートは自分のやりたいことに手を上げてもらい、それに従い仕事を割り当てることです。やりたいことをやると一生懸命やるという単純な理屈を仕事に応用しようというものです。仕事が楽しくなりそうです。やりかたは簡単です。
1.部や課単位に、仕事の項目を分解しています。
2.分解したそれぞれの項目について、やりたい人を募ります。
3.部や課の責任者の判断、または、公平な方法で人を割り当てます。
この時、やりたいと手をあげたが、能力的にできない場合は、次の機会にと調整します。また、特に体の仕事に人気が集中する場合は、責任者がするか、希望状況をオープンにして公平な方法(e.g.極端な話、じゃんけんでもいい)で決めます。
それは、きちんと仕事をしてないか、他の人からチェックが入るようにします。つまり、割り当てられた人は一生懸命せざるを得ないという状況を作りだすのです。
◆お笑い円卓会議
これは「やりたいネタ」を生み出す会議です。いくらやりたいことをやろうといっても、既存の仕事ではネタがつきてしまうのを防止するためにやります。新しいアイデイアで楽しい仕事を生み出そうというものです。
以下の条件で会議を開きます。
1.5-7人→生産的な会議の限界の人数
2.男女混合→異性の前ではやる気が出る・男女の視点の違いを活かす
3.はじはじマン→参加者が安心して発言できる雰囲気を作る
4.まんざいし→笑い参加者のアイデイアをかけ算にする
5.まとめや→会議の議事進行・軌道修正・まとめ役・初期
6.ぼけぼん→会議にはいれてはいけない人
よいアイデイア出すには「笑い」が必要で、それを発生しやすくしたの先の条件です。会議の進行の様子は、次の感じになります。
1.「まとめや」がテーマをまず出す。
2.「はじはじマン」が最初の発言をして、恥をかいてもらう。
3.「まんざいし」が笑いをとり新しい発想を促す
4.最後に、「まとめや」がまとめる、または、流れを調整する
「ぼけぼん」というのは、後ろ向き、自分を天才だと思っている、人の意見を聞かない、なんでも一番でないと気がすまない人を指します。このような人が入ると会議がしらけます。そのため、参加禁止にします。ちなみに、「ぼけぼん」はぼけた凡人の略です。
◆結論から先に言え
「結論から先に言え」というのは、音にして、たった11音ですが、非常に効果のある言葉です。その効果は、まず、話が短くなります。次に、結論から先に言うと、その次に、その理由を言わないといけなくなります。つまり、結論、それを支える理由、という形式になるので、自然にロジカル思考になります。
簡単なことですが非常に効果が高く、部下がどんどん論理思考を身につけます。そして、ポイントは「結論から先に言え」を徹底させるために毎日言いつつ続けることです。
次回に続く・・・
◆今日の言葉
『結論を先に言え』
→結論+理由という回答になるので、自然にロジカル思考になる。
◆上司のすごいしかけ
著者:白潟敏朗、出版社:中経出版、ISBN:480612377
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?
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