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テストテスト

60分間企業ダントツ化プロジェクト by神田昌典

今日は、ゲスト書評家として、岩橋 亮さんをお招きしました。
岩橋 亮さんの自己紹介:
『行動なくて読書の価値なし』をテーマに中小企業経営に役立つ
実践的なビジネス書・自己紹介書を紹介している書評ブロガー
中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー
ゲスト書評家を希望の方はこちらをご覧ください。


●星の数ほどある通常の戦略書とはここが違う
この本の目的は、あなたの会社を黙っていても顧客を魅了し、
顧客から選ばれる会社にすることである。そのための戦略を
ステップ・バイ・ステップで提供していく。
他の戦略書とは以下の点で大きく異なる。
1.コンサルタントではなく、起業家が書いた本である
2.従業員数100人未満の普通の規模の会社が前提
3.戦略の構築に際し、スピードを重視している
4.戦略を創造していく過程で、戦略思想を身につけ、
 そしてトップダウンではなく、チーム全体で戦略を考える
分析に重点を置くいままでの戦略は、MBA等で学んだ
社員もしくはコンサルタントが、密室の中で考えたものだった。
それは論理的にどんなに正しくても、社内では受け入れられない
ことが多い。
なぜなら人間は論理で動くのではなく、感情で動くからである。
論理的な戦略を導入しようとすればするほど、社内では受け入れ
られない。なぜならば、過去の自分を否定されたように感じ、
変化を恐れるからである。
即、実行できる戦略を構築したいのなら、社員自らが戦略を
編み出し、経営者は彼らのコーチ役として導いてあげる姿が
望ましい。
筆者は上記のように述べ、顧客感情をベースにした
一般の戦略とはずいぶん異なる手法である
”スター戦略構築法”を紹介している。
●商品コンセプトが顧客にきちんと伝わっているか?
「顧客はそんなことは知っている」
と顧客の知性を高く期待しすぎてはいけない。
小学生でもわかるように商品が説明されている
必要がある。時間でいうと20秒以内にわかり
やすく説明し、直感的に理解してもらわないと
いけない。
また、顧客自身がその商品を使っている
姿をイメージできることが重要である。
そのためにはネーミングも重要で商品を
直感的にわかるような名前にしなければならない。
●顧客の購買タイミングを考える
家電店でのテレビ売場でのこと。
黙って立っているだけなのに、なぜか
どんどん売れていく店員と、一生懸命接客
するのに売れない店員との決定的な違いは
声をかけるタイミングである。
テレビフロアに来た瞬間にお客に声をかけると、
お客は売りつけられるのでは、と警戒して、
その場から逃げてしまう。
ところが、売れる店員はそのまま素知らぬ顔をして、
忙しそうに仕事をしている。タイミングをうかがって
いるのだ。そして、お客がリモコンやボタンを出したときに、
声をかけるのだ。
店員「テレビをお探しですか?」
お客「えぇ、これは新しい機種なのかなぁ…。」
店員「新しい機種をお探しですか?」
こうしてお客との会話にスムーズに入っていくのである。
リモコンを触りだしたお客の約7割が購入をするという。
このように顧客に声をかける、営業するタイミングで
営業スタッフは害虫にも天使にもなる。販売タイミングは
次の二点から考えることが重要だ。
第一の点は、あなたがどんなにすばらしい提案をしても、
顧客の反応は、季節や天候、または経済動向、法律等の
外部環境の変化により大きく影響を受ける。その結果、
同じ営業をしていても売上に大きな差が出てくる。
第二の点は、顧客の内部環境の変化に応じた販売タイミングの
把握である。下記はさきほどのお客の心の動きである。
「テレビを買うか、買うまいか?」
「買うんだったら、どれにしようか?」
「この価格は妥当なのか?もっと安くかえるところがあるのかも…」
「これを買ったら、いまのテレビ台に置けるのか?」
「買うんだったら、この機種か、この機種だな」
「決め手は音質だな。よしどの機種の音がいいのか、店員に聞いてみよう」
このような内面の心の動きがあった後に、初めて店員に声をかける。
店員は顧客の心の動きに対して、タイミングよく対応する必要がある。
タイミングが早くても、遅くても売上を落とすのである。
●購買欲求をシステマチックに高める
いまは幸せ状態である顧客に差し迫った
必要性を感じさせて行動させるには
どうすればいいか。
そのためには顧客が怒り、悩み、不安を
感じる場面を五感を使って描写する必要がある。
人間が新しい行動を取る上で最も重要なのは
メンタル・リハーサルである。快楽を追求し、
そして苦痛を避けることが人間の根元的
欲求である。
顧客のニーズとウォンツを分析し、
ニーズを差し迫った必要性と言える
ところまで高め、ウォンツを抑えきれない
欲求と言えるところまで高める必要がある。
例えば、浴室暖房機を売らなくてはならないと
仮定する。本書を読んでいない人は次のように
発想する。
「このN社製の浴室暖房機は、短時間で寒い
 お風呂が暖まります。だからお子様やご年配の
 方にとっても優しい!」
これはニーズもウォンツも低くて売れない。
しかし、本書の分析を行うとこうなる。
「注意!60歳以上の中高年の方
 冬場のお風呂は、危険です。
 ヒートショックをご存知ですか?
 暖かい部屋から急に温度に下がった
 ところに行くと、一時的に血圧が高まり、
 脳溢血を起こす人が増えています。
 とくに60歳以上の中高年の死亡率は、
 交通事故を超えるほどの危険性があります。
 寝たきりになっている人のきっかけのうち、
 一番多いのは、お風呂場でのヒートショック
 なのです。急にふらっと来て、そのままドスンと
 倒れる。それからは救急車。いままでの生活が
 一瞬のうちに暗転し、何年間も寝たきりの介護を
 することになるのです。
 「後でいいや」「考えたくもない」。
 その気持ちはわかります。ところが、実際に、
 介護をする立場になってみると、あのとき
 「後でいいや」と考えていたことを、腹立たしく
 さえ思うのです。
 浴室暖房機は、一日当たりコーヒー一杯分の
 費用しかかかりません。しかも暖かいという
 快適さだけではなく、雨のときでも洗濯物に
 悩む必要がなくなるのです。
 いまなら新製品との入れ替え時期なので、
 旧機種がなんと四割引。性能はほとんど
 変わりません。さらに先着10名様に浴室
 におけるタオル乾燥機も無料で進呈させて
 いただきます。
このように表現を工夫していけば、行動するメリット
行動しないデメリットがはっきりとし、その結果、
抑えきれない欲求と言ってもいいほどの強い欲求を
感じさせることができるだろう。
●6つの切り口を20のチャートで革新的アイデアを生む
以上、”商品”、”タイミング”、”メッセージ”の
3つの切り口の一部をご紹介しました。
スター戦略構築法とは”商品”、”顧客”、”顧客”、
”競合”、”収益シミュレーション”、”タイミング”、
”メッセージ”の6つの切り口を60分間で分析し、
圧倒的な競争力を実現する戦略を構築します。
そのために使用する20のチャートは
企業戦略という見えない議論を視覚的に
見えるものにし、短時間で発想を促すためのツールです。
チャートを使うコツは、時間をかけずに
混乱を楽しみながらすすめていくことです。
非常に盛りだくさんな内容で小規模事業の
マーケティング戦略のバイブルといっていい名著です。
他にも実践的なヒントやアイデアが満載で大変勉強に
なりました。
適切な質問、思考の順番がわかればMBA等の
経営知識がない者でさえ、誰にでも楽しく、
素晴らしい事業戦略を見出すことができると
筆者は最後に述べています。
神田氏の感情マーケティングの集大成といえる一冊です。
◆60分間企業ダントツ化プロジェクト
~顧客感情をベースにした戦略構築法~
著者:神田昌典
出版社:ダイヤモンド社
後悔度:★★★★★
★★★★★:読まないと絶対後悔する、★★★★:読まないと、とても後悔する、★★★:読まないと、やっぱり後悔する、★★:読まないと、後悔する気がする、★:読まないと、後悔するかな?

60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法
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おすすめ平均
stars簡潔に言うと・・・お奨めです!!!
starsシステム思考の理論
stars「これが本当に伝えたい大事な事だが、本質に迫れば迫るほど それを見抜ける顧客は減っていく。力作ほど売れない」と神田昌典さん
stars貴重な一冊
starsスター戦略構築法が秀逸

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この『60分間企業ダントツ化プロジェクト』は、当時、24万円もしたセミナーが元になっています。
それを更に、ヴァージョン・アップした2日間セミナーDVDが出ました!
営業も宣伝もしなくても、お客が集まってくる圧倒的なビジネスモデルがつ
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ツールを提供するハイレベルな内容です。
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■編集後記
◆消費時間の測定
自分は何に時間を使っているんだろう?と思ったことはありませんか?
なんとなく、忙しい気もするし、そうでない気もする・・・
と思っていたので、測定してみました。
やり方は、単に、携帯からGoogleカレンダーを呼び出して、一時間おきに記録を取るという方法です。記録を簡単にするため、最小単位は一時間です。
一週間、記録してみました。まだ、集計はしていませんが、意外に働いている時間が多いような感じてす。これから分析してみます。
ちなみに、Googleカレンダーは、このサイトを経由すると携帯でも使いやすいです。

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